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百花繚乱「ワンピースビジネス本」の世界【2】

ワンピース愛と、ビジネス本の出来で見るワンピビジネス本、お買い得度ランキング!!

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──粗製濫造されるワンピビジネス本の中でも使えそうなもの、ワンピースファンでも楽しめそうなものはどれなのか? 連載開始以来のワンピースファンである筆者が勝手にランキングしてみた。

ワンピースの神髄ここにあり!?

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第1位
ルフィの仲間力
『ONE PIECE』流、周りの人を 味方に変える法
著者:安田雪
出版社:アスコム 発行日:11年9月29日 価格:1260円(税込)
■自己啓発系
『ドラゴンボール』と比較して、「家族という集合体から、仲間という集合体に変わった」と指摘したり、海軍を「階級構造」、白ひげ海賊団を「疑似家族構造」、麦わらの一味を「フラット構造」と分類したりと、社会学的分析で深みが増している感がある。

■学者先生のありがたいお言葉
ためになるノウハウが満載。自分からは喧嘩を売らず、どんな相手にもオープンマインドで接するシャンクスの姿勢はゲーム理論でいうところの「最強戦略」だという解説も。原作を読み解くのにも使えそう。
[お役立ち度]★★★★☆

■装丁にも愛情がいっぱい
チープな装丁が多い中、本書は唯一装丁に愛情が感じられる。帯を麦わら帽子風にしたり、ルフィの服と同じ色の文字を使用。加藤氏も「帯のコピーやサブタイトルもよく考えられている」とコメント。
[ワンピース愛指数]80点

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百花繚乱「ワンピースビジネス本」の世界【1】

その解釈、ゴーイン過ぎないか!? 玉石混淆の中から発掘──使える「ワンピース」便乗本

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『ONE PIECE STRONG WORDS』(集
英社新書)。

──大人気マンガ「ワンピース」の人気にあやかって、その内容や名前を取り入れたビジネス本が続々と出版されている。これらの大多数が、売れているビジネス本の要素を寄せ集めて作っただけのように感じられるが......。

 言わずと知れた国民的な人気マンガ『ワンピース』(集英社)。累計発行部数は2億5000万部にも及び、最新コミックスの64巻は初版で400万部が発行されるほどだが、そんな同作の人気にあやかろうと群がっているのが、ビジネス本を発行する出版社だ。

『ワンピース』をテーマにした便乗ビジネス本は、2012年1月現在で11冊刊行されている。作者の尾田栄一郎監修による名言集『ONE PIECE STRONG WORDS』(集英社新書)が、上下巻で50万部以上発行されているなど、関連本は売れているものの、これら便乗ビジネス本に関しては、あまり話を聞かないのが実情だろう。

 基本的な内容としては、剣士、航海士、料理人など「麦わらの一味」の役割分担に触れて組織論を語るといった具合に、ビジネス本的な要素と物語を無理やりつなぎあわせた残念なものばかり。また、『ワンピース』の名言をもとにビジネスで役立つ考え方やスキルを解説していくものが多いことも特徴だ。

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"ギョーカイのドン"はこの男たちだ!

東電勝俣からマックス松浦まで! 顔に表出するゴーマン度各界の"ナベツネ社長"を探せ!!

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──読売新聞のドン、ナベツネこと渡邉恒雄。しかし他業界にもナベツネたちは存在する!! キヤノンの御手洗冨士夫、東電の勝俣恒久、エイベックスのマックス松浦などなど、有名企業のドンたちの"ゴーマン度"に迫る!!

元祖は総理にだって余裕の直言

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名言──【1】
「このままなら総理に辞めてもらう以外ない」
(02年、巨人のリーグ優勝祝賀会で)
渡邉恒雄(わたなべ・つねお)
読売新聞グループ本社代表取締役会長
1926年、東京府(当時)生まれ。東京帝国大学文学部哲学科を卒業後、50年読売新聞入社。68年、ワシントン支局長となり、75年に政治部長に。91年に読売新聞社社長に就任し、94年、発行部数1000万部を達成。
[先生コメント]
加齢と共に眉が薄くなるタイプと長くなるタイプがありますが、ナベツネ氏は薄く、老人特有のずる賢さがあります。目は、年の割に眼光が鋭く、まだまだ現役であることがわかります。小鼻が上に張った"牛鼻"はバイタリティがあり、熱血漢で情熱的。星野仙一氏も同じタイプです。

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大阪都構想の多角的考察【4】

永田町の歓迎ムードで、意外と実現しそう? ダメ元な都構想実現を阻む、数々の障壁

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『大阪維新』(角川SSC新書)。

──大阪都の実現には、府や市の意見をまとめるだけではなく、国会での法案審議なども不可欠だ。就任以来、橋下市長は国政行脚を進めており、今のところ評価も上々の様子。果たして、立ちはだかる4つの障壁を前に都構想は成就なるか?

 先の項では、都構想の概略をザッと総ざらいしてみたが、ここではその実現のためにクリアするべき障壁を、順を追って見ていきたい。

 まずは、いくら橋下市長本人が「できる」と豪語したところで、都構想そのものは国政をも動かす大事業。現段階では単なる地域政党にすぎない大阪維新の会が、地方自治法をはじめとする法律の改正を実現するには、永田町における与野党の協力が必要不可欠という点だ。

 とはいえ、今年中の実施が想定されている衆院の解散・総選挙に70人もの候補者を擁立する(近畿の小選挙区定数は77)と息巻く橋下市長は、当の与野党にとっても無視できない存在には違いない。お偉方がすでにこぞって、あからさまなすり寄り工作を展開していることを鑑みれば、こちらはもはやほとんどクリアしているとみていいだろう。

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大阪都構想の多角的考察【2】

二重行政の解消で年間4000億円の確保──大阪都構想によるお値段を調査!

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──財政再建を軸とした「大阪都構想」。実際にこれらが実現されると、どれほどの経済効果があるのか?ここでは現在提唱されている施策をピックアップし、その金額を調査した。

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■財源捻出4000億円
結局、二重行政ってなんなの?
「二重行政の解消」
 都構想実現の最大のメリットとされるのがコレ。水道や病院、大学など、府・市で重複する公共サービスの再編・民営化を推進することで、コストを削減。それにより、年間4000億円にも及ぶ財源を確保できるというのが市長の主張。


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■総工費3000億円超 リニアだと1兆円超
地下鉄料金は安くなるの?
「関空リニアの建設」
 知事時代には、梅田と関西空港を約8分でつなぐリニア構想をブチあげ、「都になればそれも可能」と豪語したが、現在は新大阪・都心・関空を直結する「なにわ筋線」の建設推進へとシフト。それでも総工費は3000億円以上かかる予定。


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大阪都構想の多角的考察【3】

弁護士からオバちゃんまで!「橋下市長、大阪コストカットの弊害と府民の声、届いてまっか?」

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『徹底検証「橋下主義(ハシモトイズム)」』
(梧桐書院)。

──08年に大阪府知事となってから、一貫してコストカットを進めてきた橋下市長。その経営手腕には、当時から賛否両論が巻き起こってきた。そんな彼の手腕を、大阪市民はどう見ているのか──?

 橋下市長のマニフェストには、その通りにコトが進めば間違いなく大阪の街が活性化しそうな魅力的な文言が、硬軟織り交ぜて綴られている。

 だが、彼が府知事時代から一貫して強硬に推し進めてきた徹底したコストカットによる行政サービスの合理化は、ひっ迫した財政状況を改善するという誰の目にもわかりやすい成果を挙げてみせる一方、弱者の切り捨てをいっそう加速させる、ちっとも「優しくない」状況までをも生み出しつつあるのが実情だ。

 むろん、本文でジャーナリストの大谷昭宏氏が指摘していたような、権益を我がもの顔に享受して平然としていられるようなエセ弱者は糾弾されてしかるべき存在だ。しかし、世の中には行政の手助けなくしては生活もままならない、本当の意味での弱者がいることもまた事実。橋下市長のバックボーンにはどうも、それらを十把一絡げにして、「働かざる者食うべからず」と言わんばかりに突き放そうとするフシがあるように思えてならない。

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大阪都構想の多角的考察【1】

実現すると府民の生活は楽になるの? 徹底検証! 橋下市長が与える経済的影響

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『体制維新--大阪都』(文春新書)。

──2011年11月末に行われた大阪市長選で当選した橋下徹新市長。さっそく積極的な人件費の削減や公的機関の売却などに動き始めている。だが、これらの政策には、例え市の財政を短期的に黒字化しても、中長期的に見れば資産の切り売りをしただけという批判もあるが......。 

 2011年11月のダブル首長選の勝利によって、にわかに現実味を帯びてきた橋下徹・大阪市長が掲げる「大阪都構想」。

 だが、選挙の争点と言われ、マスコミをにぎわせてきたこの問題も、実際のところはフワッとしすぎて、一般市民にはどうにもわかりづらい。

 近い将来、いわゆる「大阪都」が実現したら、いったい何がどう変わるのか? その先に待つ未来は果たして、「強くて豊かで優しい」のか?

 小泉旋風が吹きあれた往時を彷彿とさせる「大阪市をぶっ壊す」といった威勢のいい言葉ばかりが先行する今こそ、徹底的に検証してみたい。

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話題の経済事件の裏を剥ぐ!

監査法人覆面座談会──財務の番人はなぜ堕ちた? オリンパスと大王製紙の内幕を暴露!!

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──オリンパスの損失飛ばしと大王製紙元会長による背任事件をめぐって、監査法人の責任が問われている。なぜ監査法人は、この問題を指摘できなかったのか? 三大監査法人の内情と共に、会計業界が抱える問題点について、関係者が匿名で語る。


[座談会参加者]

A...某大手監査法人に所属する公認会計士
B...某中堅監査法人に所属する公認会計士
C...コンサルタント会社所属の公認会計士
D...某会計事務所所長

A オリンパスによる巨額損失隠しと、大王製紙の井川意高前会長のカジノ通いに端を発する巨額の資金流用による背任事件で、上場企業の財務情報を監査する監査法人が急に注目されるようになった。

B これまでは「監査法人で働いてます」って言うと「どういう仕事ですか?」って聞かれていたのに、今は「ちゃんと仕事してるんですか?」だからね(苦笑)。

C 早速だけど、オリンパスと大王製紙の事件から見ていこう。オリンパスを2009年まで担当していたあずさと、それ以降引き継いだ新日本、そして大王製紙を担当していたトーマツは、日本の上場企業のほとんどを独占する三大監査法人だけど、そのすべてに金融庁の調査が入ることになった。監査法人の歴史上初めての事態だ。

D 調査の結果、金融庁からなんらかの処分があることも考えられる。それを見越してか、オリンパスを担当していたあずさは、監査をしているすべての企業に担当者が説明に回っているらしいね。「世間をお騒がせしていますが、うちは適正に対処しております」って。一方の新日本はダンマリを決め込んでいるようだ。「あれは、あずさが担当していた時代に起きた問題です」と言っているという、関係者の声も聞こえる。

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芸能プロの"ザル"財務事情【2】

やっぱりエイベックスはケタ違いの経済力!? 上場芸能プロの財務通信簿

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──現在、廃止を決定したホリプロ含め3社の芸能プロが上場しているが、その財務状況を解説!(特筆以外のデータは11年3月期の連結業績より)

公演事業が収入源に

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ホリプロ
1989年2月、東証1部上場
[株価] 1045円(2011年12月26日終値)
[従業員数] 424人
[売上高] 209億6900万円
[営業利益] 21億7200万円
[売上高営業利益率] 10.35%

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ホリプログループはホリプロほか子会社16社、関連会社6社からなる。子会社には、向井理が所属するホリ・エージェンシー、銀河劇場など。入場料が売上高に直結する公演事業は大きな収益源となるが、人気公演ほど原価率が高くなるのが悩み。海外から招へいする舞台公演の競争も激化。さらに原発事故による節電の影響で、今後が不透明。アクセサリーショップ「ルートスター」、赤坂の飲食店も経営している。



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芸能プロの"ザル"財務事情【1】

投資家から見たら理解不可能? ホリプロ上場廃止で見えた語られざる芸能界"経済"裏面史

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タレント育成よりも、飲食店経営に熱心なアップフロン
ト山崎会長について、モー娘。の面々はどう思う?

──テレビ・広告業界の不況の波が、芸能プロダクションにも押し寄せている。2010年の吉本興業に続き、大手芸能プロダクション・ホリプロは、MBO(経営陣が参加する買収)を実施し、東証一部の上場廃止を決めた。こうした中、経営指標と関係者の証言から、芸能プロが上場で失敗する理由を見ていこう。

 大手芸能プロのホリプロが、2011年12月16日に上場廃止を発表した。10年には吉本興業が同じく上場廃止を決定したが、なぜ芸能プロの上場は失敗するのだろうか? 創業51年を迎えたホリプロといえば、かつては山口百恵、和田アキ子、最近では綾瀬はるか、藤原竜也らを抱える老舗芸能プロ。創業50周年の10年3月期は、記念製作と位置付けた映画やドラマのヒット作により、業績は好調だったが、東日本大震災の発生などの影響を受けた11年第2四半期は、売上高89億8000万円(前年同期比12・7%減)、営業利益7億2500万円(同28%減)、経常利益7億9700万円(同27・8%減)と大きく落ち込んだ(いずれも連結業績)。

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映画でわかるアメリカがわかる
町山智浩の
映画でわかるアメリカがわかる
『映画を通してズイズイっと見えてくる、超大国の真の姿。』

おなじみのアフロ君がくさす、毎月の気になるニュース。
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カストリ漫報
『おなじみのアフロ君がくさす、毎月の気になるニュース。』

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神保哲生×宮台真司の
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『ゲストと共に“ワンテーマ”を掘下げるネット発の時事鼎談。』


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