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牛丼"お肉戦争"のウラ側【3】

肉のプロ "ミスター・デンジャー"松永光弘が語る「牛丼デスマッチに勝ち残る店はここだ!」

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(画像提供/小沢 聖)

 肉の仕入れから、調理まで自ら行い、BSE問題も経験したという松永光弘氏に、"肉商売"の難しさと、現在の丼ぶり戦争の結末を聞いた──。

 牛丼戦争で生き残る店はどこか? 味だけでいえば吉野家で決まり。「吉野家って脂身が多いじゃん」という声を聞くけど、牛丼ならではのやわらかい食感は、脂の良し悪しで左右される。牛肉は脂が多いパーツのほうが高値なんだ。

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牛丼"お肉戦争"のウラ側【2】

新参者は肉の質で勝負? 一番うまい肉丼ぶりは『吉野家』か『伝説のすた丼』か?

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──「丼ぶりはうまくてなんぼ!」という読者諸氏のために、自らステーキハウスも経営する元プロレスラー、ミスター・デンジャーこと松永光弘氏に食べ比べてもらいつつ、原材料について、各お客様センターに問い合わせてみた。

脂ものってやわらかさも◎

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■元祖・牛丼の帝王は健在か?
吉野家
牛丼並盛(380円)
カロリー
1円当たり1.8kcal
380円/674kcal
運営:吉野家/創業:1899年/店舗数:1189店/メニュー例:焼味豚丼並盛(380円)、こく旨カレー並盛(330円)

[肉質]★★★☆☆  
肉の質は高い。さすがに牛丼の代名詞として長らく君臨したチェーンだ。脂がのっているし、食感もやわらかく絶妙だ。他チェーンと100円の価格差があるものの、いつも安定した味を出せる地力は高く評価したい。

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[お客様センターの回答]
牛肉:アメリカ産が99%。1%がカナダ産。「中国産では?」と聞くと「根も葉もない噂」と頑強に否定/部位:ショートプレート(バラ肉)/飼育法:非公表/米:北海道米に秋田米をブレンド。



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牛丼"お肉戦争"のウラ側【1】

ついに「200円丼」時代に突入か? 『金の蔵Jr.』も参戦する牛丼戦争の舞台裏

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──2010年、激安居酒屋ブームの火付け役となった三光マーケティングフーズの「金の蔵Jr.」。同社は、圧倒的な勢力を見せつけた同店の出店を完全にストップし、ついに牛丼チェーンの展開を始めた。すき家が打ち出した価格競争によって激化した丼ぶり戦争に、まだ、新参者の同社に勝ち目はあるのか?

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『「牛丼」の謎』(イースト・プレス)。

 吉野家・すき家・松屋が三つ巴の死闘──。牛丼業界の値下げバトルが終わらない。2009年頃から乱発される値下げキャンペーンは、ついに吉野家が270円、すき家が250円、松屋が240円という未知の領域に突入した(11年11~12月)。そしてさらに、その抗争に新展開が起きているという。首都圏の駅前には新顔の丼ぶりチェーンが次々に参入。上位チェーンに新強豪が躍りかかる、肉のバトル・ロワイアルが幕を開けたのだ。

 まずは、激安居酒屋チェーン「金の蔵Jr.」で外食産業の台風の目となった三光マーケティングフーズ傘下の「東京チカラめし」。「焼き牛丼」で勝負をかけ、牛肉、玉ねぎなどを煮込んでご飯にかける従来型牛丼とは一線を画する。さらに、学生街のラーメン屋を発祥とし、ここ数年で首都圏に勢力を伸ばす「伝説のすた丼屋」。こちらは豚肉をドカンと盛ったメガ盛り丼だ。600円という価格ながら、圧倒的なボリュームで若いサラリーマン、学生層の胃袋をわしづかみにしている。最近では「すためし どんどん」「名物 すた丼の店」「吉祥寺どんぶり」など、類似店が多数登場するほど。ただ、3大牛丼チェーンが進めてきた、"200円台"での価格競争も、もはや限界ギリギリとも思える。そんな中、新規参入組に勝機はあるのか? 物流コンサルタントの坂口孝則氏に聞こう。

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ギョーカイ別トップ企業(秘)診断【6】

[食品業界]トップ企業の爆弾──ブランドの低迷、絶えない批判......キリン、味の素が抱える"真の闇"

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──2010年に起きたサントリーとの合併騒動以降も、順調に売上げトップを走る飲料系のキリンホールディングス、激安居酒屋ブームにより、さらなる需要拡大に成功した調味料系の味の素。食品業界を牽引する両者が直面する、本当の"危機"に迫った──。

トップ企業

キリンホールディングス
「クラシックラガー」「ブラウマイスター」といった商品で"通が好むビール"として君臨していたのも今は昔。業界2位のアサヒに、売上高で約7000億円の差をつけてはいるものの、ブランドイメーは崩壊寸前。次なる一手に注目を。

味の素株式会社
うま味調味料で約85%、和風だしの素で約50%、コンソメで約70%と家庭用市場シェアを席巻中。食品メーカー向けのアミノ酸や飲食店向けの加工食品も安定的で死角はなさそうだが、化学調味料などの論争が続く限り安定は難しそう。

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(絵/小笠原徹)

 放射能汚染の影響や原材料の高騰、TPP問題など、2011年は食品業界全体が大きく揺れた1年だった。今後も混乱が予想される同業界にあって、現在トップを走る企業が抱える問題点とは何か。『食品業界のしくみ』(ナツメ社)の著者である齋藤訓之氏に、業界の現状と動向を聞いた。

「食品業界全体としては売上高6兆1945億5400万円(11年9月時点・日本経済新聞社調べ、以下同)でJTがトップなんですが、その8割近くが国内外のたばこ事業の売上げなんです。なので、実質的な業界トップは、売上高2兆1778億200万円で、飲料系のキリンホールディングスといえるでしょう」

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ギョーカイ別トップ企業(秘)診断【5】

[ケータイ業界]トップ企業の爆弾──トラブル続きのジリ貧ドコモが悩むスマホ対応遅れ

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──ソフトバンク、auにiPhoneを握られ、シェアトップながらスマホ市場でも先行きの見えないNTTドコモ。焦りのためか、急速な「スマホシフト」移行に社内体制が追いついていないという声もあり、「Xi」(クロッシィ)対応のiPhone5を最終兵器として持ち出してくる可能性も!?

トップ企業

NTTドコモ
売上高4兆2000億円超(2010年度、連結)、ケータイシェア46%(11年11月現在)の、ケータイ業界の巨人。「スマホ化」によるケータイ業界の激変、ソフトバンクの猛追もあり、のうのうと横綱相撲を取ってばかりはいられない!!

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(絵/小笠原徹)

 ケータイ業界全体がスマートフォンへと明確に舵を切った2010年。続く11年は、その影響がさまざまなところに表れ、業界そのものが変質しつつあることが明らかになった。その中でシェアトップのNTTドコモ(以下、ドコモ)は、上半期は東日本大震災による被害と復旧対応が大きな負荷となりおとなしかったものの、夏以降は数多くのスマートフォン(以下、スマホ)を発売するなど、存在感を見せつけた。

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ギョーカイ別トップ企業(秘)診断【4】

[金融業界]トップ企業の爆弾──野村證券買収の噂が絶えない三菱UFJが抱える"国債地雷"

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──欧州の金融危機のほか、歴史的な円高が続く中、メガ3銀行という構図は変わらない。だが、銀行本来の業務である貸付は、もはや頭打ち。そんな中、証券に目をつけた大手銀行による、老舗の証券会社買収が噂されるが......。日本金融業界が抱える問題点を見ていこう。

トップ企業

株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループ
「三菱東京UFJ銀行」「三菱UFJ信託銀行」「三菱UFJ証券ホールディングス」そしてアメリカの「ユニオンバンク」などを傘下に収める。資本金2兆1374億円、連結売上6兆3939億円を誇る、まさに世界屈指の総合金融グループ。

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(絵/小笠原徹)

 ギリシャ国債の暴落に端を発した、世界的なシステム不安が深まる金融業界。日本の大手銀行の業績自体は、欧米の銀行に比べて堅調であるものの、各行の株価は著しく低迷している。

「日本の銀行はリーマンショック時の痛手が比較的少なく、日本国債の売買を中心に利益を挙げていますが、欧州危機の広がりで金融業自体が当分リスクにさらされる、というのが世界的なコンセンサスです。将来に対する明るい展望が描けない以上、日本の大手銀行に対する市場の評価も上がりにくい」(証券関係者)

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ギョーカイ別トップ企業(秘)診断【3】

[自動車業界]トップ企業の爆弾──世界3位に転落したトヨタ手厚い保護政策と下請けイジメ

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──2011年は国内メーカーにとってまさに受難の年だった。2度の天災や金融不安による超円高が直撃し、輸出は大きく減少、世界シェアは低下した。国内市場はとっくにピークを過ぎており、今後は中国やロシアなどの新興国でいかにシェアが伸ばせるかが、カギとなっているが......。

トップ企業

トヨタ自動車株式会社
2010年は世界販売台数で世界ランクトップだったトヨタ。11年は第3位に転落したものの、国内で依然としてナンバー1企業。世界販売台数は760万台で、前期より4%増えている。12年はハイブリッドカーや電気自動車などのエコカーのラインアップ補充に加え、小型のハイブリッドカー投入で巻き返しを図る。

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(絵/小笠原徹)

 長引く金融不況に加え、東日本大震災やタイの大洪水により部品サプライチェーンが寸断され、記録的な円高による国際競争力の低下が叫ばれるなど、厳しい状況にあると見られる日本の自動車業界。11年11月、野田佳彦首相がTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)交渉に参加する方針を表明し、「関税の撤廃で対米輸出が有利になる」との見方が広がったが、ある自動車ディーラーは「そう甘くはない」と指摘する。

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ギョーカイ別トップ企業(秘)診断【3】

[ゲーム業界]トップ企業の爆弾──盗作騒動、独禁法、開発者搾取でも伸びるDeNAとGREE

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──SNS上で配信され他のユーザーと競い合い、基本は無料、追加アイテムなどを有料で購入してゲームを有利に展開できるのが特徴のソーシャルゲームと、家庭用ゲーム機&携帯ゲーム機、ソフト類を指すコンシューマゲーム。2011年は前者の躍進の年となった。牽引するDeNAやGREEは、今年も引き続き市場を拡大できるのか?

トップ企業

株式会社ディー・エヌ・エー
ケータイ向けSNS・Mobage(旧称:モバゲータウン)にて、ソーシャルゲームを配信する。2011年10月31日に発表された同年7~9月期の連結決算は、売上高が前年同期比28%増の約347億円、営業利益が13%増の約154億円。11年は、看板社長だった南場智子氏が退任したり、横浜ベイスターズを買収するなど、業績以外でも激動の1年だった。

グリー株式会社
DeNAと同じく、SNS・GREEにてソーシャルゲームを配信する。2011年11月2日に発表された同年7月~9月の連結決算は、売上高が過去最高の約304億円(前年同期比145%増)、営業利益が約166億円(同168%増)。社長の田中良和氏は楽天出身。11年初頭には米国子会社を設立、海外展開を進めている。

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(絵/小笠原徹)

 ファミコン誕生以来、エンタメ業界において確かな存在感を示してきたゲーム業界。国内市場規模では2007年をピークに下降傾向が続く状況下に、新ジャンルが現れて11年の市場を席巻した。横浜ベイスターズを買収したDeNAに代表される、ソーシャルゲームである。その躍進ぶりについて、ゲーム業界に詳しいジャーナリスト・橘寛基氏は「10年には1000億円市場となり、前年比4倍以上の伸びを見せました。11年は、2000億円以上に成長したという予想もあります」と語る。11年9月の東京ゲームショーでも、この成長を象徴する出来事があった。

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ギョーカイ別トップ企業(秘)診断【2】

[家電業界]トップ企業の爆弾──撤退に終始したパナソニックを襲うビジョンなき体質の弊害

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──テレビ事業の落ち込みとともに、行き詰まりを見せている国内家電メーカー。頼みの液晶パネル分野は売り上げを見込めず、各社がそれぞれの新機軸を打ち出そうと必死になっている。そんな中で、今年1月より新体制を発足させたパナソニックの先行きはいかに──?

トップ企業

パナソニック株式会社
日本最大の総合家電メーカー。今年1月、完全子会社化していた三洋電機とパナソニック電工との経営統合及び事業再編を行い、新生パナソニックとして生まれ変わった。近年は、スマートグリッドや「まるごと」戦略といった新機軸を模索している。

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(絵/小笠原徹)

 家電業界は軒並み苦しい1年だった──2011年を振り返った識者は、口を揃えてそう語る。家電全体で見ても、11月は家電量販店最大手のヤマダ電機が前年同月比で57・9%も売り上げを落とすなど、量販店各社の売り上げは5割前後の大幅減。象徴的なのはやはり"家電の王者"テレビの不調だ。エコポイントに加え、買い替え需要を喚起していた地上デジタル放送への移行が11年7月に完了。8月以降は、その反動で販売台数が半減した。

 メーカーにとって痛いのは、販売台数の減少だけではない。詳細な店舗販売情報であるPOSデータを集計するBCNのエグゼクティブアナリスト・道越一郎氏は、金額ベースでの下落を指摘する。

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ギョーカイ別トップ企業(秘)診断【1】

家電、金融、ゲーム、食品......サイゾー"会社診断隊"が行く! 業界別ウハウハ企業の通信簿

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──震災、原発、円高に欧州危機で不景気に沈む日本企業だが、それでも儲かってる企業はやっぱり儲かってる、。家電、ゲーム、自動車、銀行、ケータイ、食品の主要6業界を挙げ、各業界トップ企業の戦略を分析、さらにビジネス誌では書けない【裏】情報までこっそり開陳しちゃいます!!

 東日本大震災からの復旧が急ピッチで進められる中で始まった2012年。今年の日本経済は、復興需要による内需の拡大に大きな期待が寄せられる一方で、世界景気のさらなる悪化や、アメリカ・ロシア・中国などの主要国で首脳交代期を迎えることによる政治情勢の変化など、多くの不安材料を抱えながらの幕開けとなった。

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『会社四季報 業界地図 2012年版』

 振り返れば11年の日本経済は、大震災とそれに続く福島第一原子力発電所の事故による電力不足や、ギリシャの財政問題に端を発した欧州債務危機、さらにはタイの大洪水など、極めて深刻な数々の困難に見舞われ続けた。11年の世相を表す「今年の漢字」(日本漢字能力検定協会発表)は「絆」に決まったが、11年の日本企業の経営環境を表す言葉をひとつ挙げるとすれば、従来のいわゆる「5重苦」(円高・高い法人税・貿易自由化の遅れ・労働規制・温室効果ガス抑制策)に電力不足問題が加わった「6重苦」以外にないだろう。

 その中でも、特に多くの日本企業に甚大な打撃を与えたのが、歴史的な"超円高"だ。大震災発生直後に76円25銭の史上最高値をつけたドル/円相場は、8月に75円95銭、10月には75円32銭と最高値を次々に更新。政府・日銀による大規模な円売り介入も一時的な効果にとどまった。

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『激変するITビジネスとカルチャーの深層を鋭く抉る!』

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『さらば、既得権益はびこるレッドオーシャン化した批評界!』

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花くまゆうさくの
カストリ漫報
『おなじみのアフロ君がくさす、毎月の気になるニュース。』


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