映画でわかるアメリカがわかる
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町山智浩の「映画がわかる アメリカがわかる」 第23回

世界で最も有名だった伝説のセックス・クラブ

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【今月の映画】

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『SWAP×SWAP 伝説のセックス・クラブ』
(原題:American Swing)
1977年から85年まで営業され、ニューヨークの中で「性の無法地帯」として世界で最も有名だった、セックス・クラブ「プレイトーズ・リトリート」と、その経営者ラリー・レビンソンに迫ったドキュメンタリー。監督/マシュー・カウフマン、ジョン・ハート 配給/クロックワークス 10月17日からシネマート新宿にて公開

 ニューヨークはセントラル・パークの西側、歴史科学博物館の近くに、ジ・アンソニアという古くて美しいビルがある。金持ちの高級アパートとしてアメリカ映画によく登場するビルだ。このビルの地下にかつて「プレイトーズ・リトリート」という店があった。店名は「プラトンの隠れ家」だが、プラトニック・ラブとは正反対に、フリー・セックスの乱交が行われていた場所である。

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町山智浩の「映画がわかる アメリカがわかる」 第22回

病気・肥満・貧困を生む食ビジネスの"負の連鎖"

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【今月の映画】

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『フード・インク』
「病気・肥満・貧困」の一因は食品業界にあり。アメリカ人が食べているモノの多くは、大企業と政府機関によるコントロール下で製造される"工業製品"であるという、食ビジネスのおぞましい実態のヴェールを剥ぐ。これを観てしまったら、もう何も口にできなくなってしまうかもしれない、食欲退行ドキュメンタリー。監督/ロバート・ケナー、アメリカでは6月公開、日本公開の予定あり

 カウボーイはアメリカのアイコンだ。地平線の彼方まで広がる大平原でカウボーイに見守られながら草を食む牛たち。そんな風景が、ステーキやBBQやハンバーガーにかぶりつくアメリカ人の頭には浮かんでいるだろう。その幻想を木っ端微塵に打ち壊すのが『フード・インク』というドキュメンタリー映画だ。フード・インク(食品株式会社)というタイトルは、農業がすでに工業になってしまった現実を表している。

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町山智浩の「映画がわかる アメリカがわかる」 第21回

悲劇を映してしまった親友の遺児へのビデオ

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【今月の映画】

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『親愛なるザカリー(Dear Zachary)』
監督のカート・クインは、親友の遺児であるザカリーのためにこのビデオを撮り始めた。つまり、これはザカリーのためだけに撮り始められたプライベート・ビデオだった。しかし、それが結果的に一般の映画として公開される事態になってしまった裏には、信じられないような悲劇があった。 監督/カート・クイン(アメリカで2008年公開、日本での公開は未定)

「親愛なるザカリーくんへ」

ドキュメンタリー映画『親愛なるザカリー』は、ザカリーという名の男の子の赤ちゃんの笑顔と、監督のカート・クインによる挨拶で始まる。

「君が生まれてきたとき、君のお父さんはもういなかった。だから、お父さんを知ってもらうために、このビデオを作った。大きくなったら見てほしいんだ」

『親愛なるザカリー』は、監督が親友の遺児のために作ったプライベート・ビデオだった。それがなぜ、映画として一般に公開されることになったのだろうか?

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町山智浩の「映画がわかる アメリカがわかる」 第20回

発明を盗まれた男と大企業との執念の戦い

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【今月の映画】

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『天才のひらめき』
(原題:Flash Of Genius)
カーンズ家の大黒柱・ロバートは間欠ワイパーを発明し、ある日、フォード社に売り込むも採用してもらえず。しかし、後にそのアイデアが同社に盗まれたとわかり、大企業を相手にひとり戦う決意をする。金でもなく地位でもなく、ただ真実が欲しくて──。 監督/マーク・エイブラハム 出演/グレッグ・キニア、ローレン・グラハム、アラン・アルダほか アメリカでは08年に劇場公開、日本公開は未定


 筆者がガキの頃、自動車のワイパーは速いか遅いかしか調整できなかった。

 小雨の時は、すぐにブレードが乾いて引っかかってしまう。だから、運転しながら手でワイパーのスイッチを入れたり切ったりするしかなかった。そのために事故も多かった。

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町山智浩の「映画がわかる アメリカがわかる」 第19回

カード社会アメリカの笑えない借金地獄ぶり

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【今月の映画】

0905_machiyama.jpg『マックスト・アウト』
(原題:Maxed Out)
学生でも、失業者でも、カード破産者でも、いまや誰でも簡単にローン契約ができてしまうアメリカ社会。カード業界が潤う一方で、クレジットカードの限度額を使い果たした若者が借金を苦に自殺するなど、深刻な事態に発展している。そんなカード業界と金融界の闇を、地道な取材をもとにまとめた、衝撃のドキュメンタリー映画。監督・脚本/ジェームズ・スカーロック アメリカでは06年に劇場公開、現在はDVDが発売中

 4月からテレビを始めます。私、町山智浩が選んだアメリカのドキュメンタリー映画を、オセロの松嶋尚美さんに見せながら解説する番組です。映画は基本的にノーカット、前後編の2回に分けて放送します。

 この号が出る頃には放送済みの1本目は『ウォルマート/世界一の巨大スーパーの闇』。2本目(4月19・26日放送)は『イエスメン/グローバリズムと戦うお笑いテロリスト』。『ウォルマート』も『イエスメン』も「サイゾー」の連載で紹介した作品だけど、やっと日本でも観られます。

 そして3本目(5月3・10日放送)は、『マックスト・アウト Maxed Out』。タイトルは「限度額の上限まで借金した状態」という意味。サラ金用語でいえば、「天井張り付き」「借金で首が回らない」ってやつ。アメリカの借金地獄をルポした映画だ。

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町山智浩の「映画がわかる アメリカがわかる」 第18回

危機に揺れるデトロイト その誇りは永遠に

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【今月の映画】

『グラン・トリノ』
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(C)2009 Warner Bros. Enter
tainment Inc. and Village Roa
dshow Films (BVI) Limited.
All Rights Reserved
口が悪くて頑固で偏屈、人種差別主義者の老人ウォルトは、妻に先立たれ、ひとり孤独な日々を送っていた。ある日、そんな彼の宝物であるヴィンテージ・カーのグラン・トリノを、隣りに住むモン族の少年タオが盗もうとして失敗。タオの謝罪をしぶしぶ受け入れたことから、2人の奇妙な交流が始まって......。
監督・製作・主演/クリント・イーストウッド 出演/ビー・バン、アーニー・ハーほか 配給/ワーナー・ブラザース映画 日本では4月25日より、丸の内ピカデリーほかにて全国ロードショー

文藝春秋の依頼で、ビッグ3危機に揺れるデトロイトに取材に行った。かつて栄華を極めたモーター・シティは、巨大な廃墟と化していた。

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町山智浩の「映画がわかる アメリカがわかる」 第17回

米国民が待ち続けた大統領の謝罪の言葉

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【今月の映画】

『フロスト×ニクソン』
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(C)2008 Universal Studios.
All RIGHTS RESERVED
政界復帰を狙う元大統領リチャード・ニクソンから"謝罪"を引き出すことで、全米進出を狙うテレビ司会者デビッド・フロスト。77年、4500万人の国民が見守る中、2人の対決による伝説のインタビュー番組が生まれようとしていた......! 本年度アカデミー賞作品賞をはじめ、主要5部門にノミネートされた話題作。
監督/ロン・ハワード 脚本/ピーター・モーガン 出演/フランク・ランジェラ、マイケル・シーンほか 配給/東宝東和 3月28日より、TOHOシネマズ シャンテほかにて全国ロードショー

 1月20日、オバマ新大統領の就任式。前大統領ジョージ・W・ブッシュを乗せたヘリコプターが飛び立つと、群衆は「ヘイヘイヘイ、グッバイ」と、野球でKOされてマウンドから降りるアウェイの投手を揶揄する歌で見送った。

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町山智浩の「映画がわかる アメリカがわかる」 第16回

水ビジネスの民営化は人類を破滅させる行為!?

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【今月の映画】

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『007/慰めの報酬
ダニエル・クレイグを主演に迎えた前作『007/カジノ・ロワイヤル』のエンディングから、1時間後の設定。心から愛した女を自殺に追いやった組織への復讐心と、任務のはざまで揺れるジェームズ・ボンド、そして同じように心に傷を抱える女、カミーユが出会い......。
監督/マーク・フォースター 出演/ダニエル・クレイグ、オルガ・キュリレンコ、マチュー・アマルリックほか 配給/ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント 1月24日より、丸の内ルーブルほか全国ロードショー

 ダニエル・クレイグがジェームズ・ボンドを演じる2作目『慰めの報酬』の悪役ドミニク・グリーンは、007シリーズ最弱の敵に見える。

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町山智浩の「映画がわかる アメリカがわかる」 第15回

ゲイのために戦い殺された、伝説の英雄

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【今月の映画】

『ミルク』
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同性愛者への差別が激しかった70年代。ゲイであることを公言し、サンフランシスコ市の市会議員となった活動家のハーヴェイ・ミルク。セクシャルマイノリティの地位向上のために命懸けで戦った英雄の生涯を、自身もゲイであるガス・ヴァン・サント監督が描く。
監督/ガス・ヴァン・サント 出演/ショーン・ペン、ジョシュ・ブローリン、ジェームズ・フランコほか アメリカでは11月公開、日本では公開未定

 うちの娘と向かいに住むジョアンナちゃんは一緒にハロウィンでトリック・オア・トリートしたり、ローラースケートを練習したりする仲良しだ。ジョアンナちゃんのパパは、スティーヴさんとデヴィッドさん。2人は男同士の「夫婦」だ。

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町山智浩の「映画がわかる アメリカがわかる」 第14回

ただパパに愛されたくて大統領になったダメ男

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【今月の映画】

『W.』
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『JFK』でケネディ、『ニクソン』でニクソンと、米大統領の伝記映画を手がけてきた監督が、現大統領ブッシュの"実像"に迫った最新作。ブッシュを戦争に駆り立てた"本当の理由"はなんだったのか? 本作は11月の大統領選の約3週間前に公開され、話題を呼んだ。
監督/オリバー・ストーン 出演/ジョシュ・ブローリン、リチャード・ドレイファス、タンディ・ニュートン、エリザベス・バンクスほか
アメリカでは10月17日公開、日本では公開未定

 10月19日、第1期ブッシュ政権の国務長官だったコリン・パウエルが、次期大統領にバラク・オバマ上院議員を推薦した。パウエルさんは、きっと2日前に公開されたオリバー・ストーン監督の『W.(ダブリュー)』を観たんじゃないか。

『W.』のクライマックスは、ホワイトハウスの地下にある「戦況室」で閣僚たちがブッシュにイラク攻撃を勧める場面だ。チェイニー副大統領(リチャード・ドレイファス)は、「今こそイラクの石油を手に入れるのだ」と口をひん曲げて囁き、カール・ローヴ補佐官(トビー・ジョーンズ)は「9・11テロで国民は復讐に燃えている。今、戦争すれば2期目の選挙にも勝てる」とけしかける。

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ITインサイドレポート
佐々木俊尚の
ITインサイドレポート
『激変するITビジネスとカルチャーの深層を鋭く抉る!』

宇野常寛の批評
宇野常寛の
批評のブルーオーシャン
『さらば、既得権益はびこるレッドオーシャン化した批評界!』

映画でわかるアメリカがわかる
町山智浩の
映画でわかるアメリカがわかる
『映画を通してズイズイっと見えてくる、超大国の真の姿。』


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