マル激 TALK ON DEMAND
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神保哲生×宮台真司 「マル激 TALK ON DEMAND」 第40回

トヨタのリコール問題を契機に「責任」の法文化を再考する【中編】

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"トヨタの安全神話"は 本当に揺らいだのか?

神保 なるほど。そんな中で、今回トヨタ自動車が取ったリコールという措置は、果たして正しかったのでしょうか。日本においては、企業が製品に対して取る措置に3つの段階があります。第一に、安全には関係ない品質上の問題として対処する「サービスキャンペーン」。プリウスの問題が欠陥や不具合ではなく、単に「ユーザーごとに使用感が変わる」ということだったとして、「それならば個別に調整しますよ」というのがこれに当たります。

 その次に、保安基準にはないものの、安全・環境上の問題があるとして対処する「改善対策」。そして最終的な措置として、今回の「リコール」があります。道路運送車両法の保安基準に満たないものとして強制的に回収するわけですから、当然ながら新しいプリウスの操作感を気に入っていた人のブレーキも強制的に修正されてしまう。今回の問題は欠陥と呼べるのか、つまりリコールすべきだったのか否か、という議論はあるのかなと思います。

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神保哲生×宮台真司 「マル激 TALK ON DEMAND」 第40回

トヨタのリコール問題を契機に「責任」の法文化を再考する【前編】

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──昨年11月、トヨタは、フロアマットが外れてアクセルペダルが戻せなくなる恐れがあるとして、米運輸省高速道路交通安全局にリコールを届け出ることを発表した。予定されているリコール対象車数は約500万台とされ、アメリカ史上最大規模の数に及ぶという。こうした中、多くのメディアでは、トヨタの安全性やリコールへの対応についてさまざまな意見が語られたが、その根底には、企業と市民の関係や、企業体としての責務という問題がはらんでいるようだ。社会問題と法制度の観点から、トヨタリコール問題を浮き彫りにする──。

【今月のゲスト】
廣瀬久和[青山学院大学法学部教授]


神保 今回は民法と消費者法の専門家で、経済産業省・国土交通省・内閣府のそれぞれで、リコール関係の検討会に加わってこられた、青山学院大学法学部教授の廣瀬久和さんをゲストに迎え、トヨタ自動車のリコール問題について議論したいと思います。

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神保哲生×宮台真司 「マル激 TALK ON DEMAND」 第39回

"映画と娯楽"を超えた芸術 ドキュメンタリー番組の批評性【後編】

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テレビジャーナリズムの限界と放送ビジネス

神保 僕がビデオジャーナリズムを始め、結果的にインターネット放送にまで行き着いたのは、自分が真剣に取材したものを報道する場所が、もはやテレビでは見つからないと考えるに至ったからでした。テレビでは、免許事業であるがゆえに、行政や政治にやたら気を配らなければなりません。民放の場合は、さらにこれにスポンサーが加わります。まるで地雷を踏まないように注意しながら地雷原を歩くような思いをして、番組をつくっているようなところがある。あらためて、是枝さんは、テレビというものをどうとらえていますか?

是枝 僕は今も、「映画監督」と呼ばれるよりも、「テレビディレクター」のほうがシックリくるんです。友人のテレビディレクターに「日本の民主主義にとっては、映画よりもテレビのほうが大事なんだ」と言う人がいて、こういう人間がテレビにかかわってくれているのはありがたいし、今の体たらくを考えると、なんとかしなければと思います。映画界もひどいけれど、テレビはそれ以上に危ない。制作会社のディレクターができることは限られていますが、責任を感じています。

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神保哲生×宮台真司 「マル激 TALK ON DEMAND」 第39回

"映画と娯楽"を超えた芸術 ドキュメンタリー番組の批評性【中編】

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テレビマンユニオンが先鞭をつけた"報道"番組

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『空気人形』
09年カンヌ国際映画祭で絶賛された、マンガ家・業田
良家原作による是枝監督の最新作。

是枝 心を持つことが、必ずしもポジティブなことだけではない、ということも重要なテーマでした。人形がだんだん人間に見えてくるプロセスと、人間だと思っていた人たちが形骸化して、人形のように見えてくるプロセスを交差させることも、狙いのひとつですね。そして、ネガティヴなことも含めて、人形だけがその「心」を引き受けていく、という。

神保 ここで、是枝さんがディレクターを務めた08年のドキュメンタリー『あの時だったかもしれない ──テレビにとって「私」とは何か──』(テレビマンユニオン制作)について伺いたいと思います。同年1月、かつてテレビマンユニオンを設立し、テレビドキュメンタリーに多大な影響を与えたメディアプロデューサー・村木良彦さんが亡くなり、その追悼番組として制作されたものです。

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神保哲生×宮台真司 「マル激 TALK ON DEMAND」 第39回

"映画と娯楽"を超えた芸術 ドキュメンタリー番組の批評性【前編】

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──映画『誰も知らない』『歩いても歩いても』などの国際的評価により、 一躍その名を世界中に轟かせた映画監督の是枝裕和氏。だが、「映画監督と呼ばれるよりも、テレビディレクターと呼ばれるほうがしっくりくる」と、自らが口にするように、是枝氏の根源はテレビに置かれている。番組制作会社・テレビマンユニオンに参加し、多数のドキュメンタリー番組にかかわってきた同氏が、昨年公開され、話題となった『空気人形』と今後のテレビドキュメンタリー、そしてテレビジャーナリズムのあり方について語った。

【今月のゲスト】
是枝裕和(映画監督、テレビディレクター)


神保 今回は映画監督の是枝裕和さんをゲストに迎え、ドキュメンタリーの現状やテレビの今について議論を深めたいと思います。

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神保哲生×宮台真司 「マル激 TALK ON DEMAND」 第38回

事業仕分けをめぐる民主党の目論みとメディア報道の懸隔【後編】

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「今の半分の予算」で日本国家はやっていける?

神保 今回の事業仕分けの仕掛け人となった構想日本の加藤秀樹さんが、05年に番組に出演した際に、「国家事業の3割程度は仕分けで廃止にできる。残った7割の事業も、無駄を省けば、3割はコストカットできる。ということは、7割×7割=49%となり、要するに国家は半分の予算でもやっていける」と語っています。

 その加藤さんが同じく「善意で予算がつけられている」「国がやるべき事業かどうかが議論されていない」とも指摘していました。

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神保哲生×宮台真司 「マル激 TALK ON DEMAND」 第38回

事業仕分けをめぐる民主党の目論みとメディア報道の懸隔【中編】

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官僚と記者クラブのなれ合いと仕分けの合理性

神保 メディアの報道に問題があることは、これまで何度も指摘したのであえてここでは踏み込みませんが、役人や政治家が、これまで手段の合理性について考えてこなかった原因は、何だったと思いますか?

枝野 ここ20〜30年の国家予算の決まり方に問題があったのでは、と推測します。事務レベルでの予算折衝はありますが、要求官庁が「これは下ろしません!」と頑張れば、最後は政治折衝になる。そこは密室でもあるので、最後は力のある族議員が、いかに大きな声で「この予算は必要なんだ!」と机を叩くかに尽きるのです。そして、声の大きな政治家というのは単純ですから、事業の重要性を訴えるのが一番効果的だったのでしょう。

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神保哲生×宮台真司 「マル激 TALK ON DEMAND」 第38回

事業仕分けをめぐる民主党の目論みとメディア報道の懸隔【前編】

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──民主党政権の目玉政策のひとつ、事業仕分けをめぐっては、さまざまな報道がなされた。そのほとんどが、仕分け後の処遇をめぐる、礼賛と批判だったが、連日大手メディアに取り上げられるなど、世論の関心の高さも伺えた。だが、事業仕分けを差配した民主党・枝野幸男議員は、その目的について、「納税者に事業の正当性と説明がなされているか」を判断させるものであり、予算の削減ではないと言い切る。報じる側の大手メディアが抱えるいびつな問題とともに、事業仕分けの反論、非難への見解、そして本来の目的について、枝野氏に聞いた。

【今月のゲスト】
枝野幸男(衆議院議員)

神保 今回は、事業仕分けで統括役を務めた枝野幸男衆議院議員をお招きしました。事業仕分けに関してはさまざまな報道がありましたが、本来の目的とは裏腹に、「仕分けでいくら削れるか」という金額の部分に過度の関心が集中してしまったのが、少々残念な気がしました。

宮台 今回の事業仕分けは、国民が、自分たちの支払った税金がどう使われているのかをチェックし、単なる漠たる不満を越えた「合理的な疑い」を持ったり、その疑いゆえに憤ったりする、初めてのチャンスでした。その意味で、第一に、プロセスが全面的に公開されたことが重要です。議論の様子を見て、納得したり、憤ったり。そのこと自体が、国民にとって、有権者とは何を期待された存在なのかを理解するための、大きな経験になったでしょう。数字をめぐって国民を一喜一憂させるが如きメディアの報道は、事業仕分けの本来の意味や重要性との乖離が見られました。

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神保哲生×宮台真司 「マル激 TALK ON DEMAND」 第37回

破綻国家アフガンの真実と腐敗構造に消える日本の金【後編】

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欧米に比べてコミットしやすい日本の立場

神保 伊勢﨑さんからご覧になって、アフガニスタンにおける日本のNGOのプレゼンスはいかがですか?

伊勢﨑 残念ながら、非常に小さいものです。アメリカやヨーロッパはずっと以前からやっていますから、浸透度がまったく違います。

神保 なるほど。それでは、海上自衛隊による給油活動は、国際的に見てどんな意味があるのでしょうか?

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神保哲生×宮台真司 「マル激 TALK ON DEMAND」 第37回

破綻国家アフガンの真実と腐敗構造に消える日本の金【中編】

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イラクでの成功例を適用するアメリカの思惑

神保 アフガニスタンでの外国人兵士死者数のデータを見ると、08年はトータルで295人(うちアメリカ兵155人)、09年ではトータルで460人(うちアメリカ兵281人)。和解が望まれる状況で戦いは激化する一方ですが、アメリカが増派を続ける意図はどこにあるのでしょうか?

伊勢﨑 オバマ政権が今年2月に発表した1万7000人の増員は、アフガニスタンでの第2回目の大統領選挙の投票率を上げるためです。選挙に先立ってタリバンが「投票に行けば指を切り落とす」という脅迫を行ったため、特に投票率の低下が危惧されていた南東部に増派しました。しかし、結果として投票率は上がらなかったので、増派は失敗したことになります。

神保 現在アメリカは4万人の増派を検討していますが、こちらの目的とは?

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おなじみのアフロ君がくさす、毎月の気になるニュース。
花くまゆうさくの
カストリ漫報
『おなじみのアフロ君がくさす、毎月の気になるニュース。』

映画でわかるアメリカがわかる
町山智浩の
映画でわかるアメリカがわかる
『映画を通してズイズイっと見えてくる、超大国の真の姿。』

宇野常寛の批評
宇野常寛の
批評のブルーオーシャン
『さらば、既得権益はびこるレッドオーシャン化した批評界!』


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