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超刺激的! タブー破りのDVD【4】

格闘家・長島☆自演乙☆雄一郎が語る「K-1王者への道の裏にキアヌ!? 引きこもりを奮起させた"教え"」

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 アニヲタだから、深夜アニメとかは当然大好きで、今でも1クールに5〜6本は通しで観てますね。でも僕、実は実写映画も好きなんですよ。自分のキャラ的にアニメ関係の取材は結構頂くんですけど、今回みたいな実写縛りの企画はあまりないのでうれしいですね。一番映画を観てたのは中高生の頃。出席日数が足りないくらいの引きこもりだったんだけど(笑)、おかんがかなりの映画好きで毎週新作のVHSを借りてきていたから、家から出なくてもいくらでも観れたんですよ。今日紹介するのは、そんな思春期の頃に観た作品です。

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豊かな才能を持ちながら精神面の弱さゆえ、引退して
肉体労働に就いていたファルコ(キアヌ・リーブス)。
脱・負け犬人生をかけて代理選手チームをまとめよう
とする。(画像は『リプレイスメント』より)

 まず今回の「タブー破りのDVD」という企画を聞いたときに真っ先に出てきたのが、『パンドラ・クロック』【1】。殺人ウィルスを載せた飛行機が舞台で、これが落ちたら世界がヤバい......終わる!? みたいな感じのサスペンスアクションです。ジャンルは分け隔てなく観るんですけど、一番好きなのは鉄砲バンバン撃ったりするアクションもの。中でも特に、生物テロとか細菌ガスとかが好きで、この作品もすごく面白かった!......んですけど、実は申し訳ないくらい内容覚えてない(笑)。 VHSで前後編に分かれてて、おかんが前編だけ借りてきて「はよ後編借りてこいや!」って思ったのも覚えてるのになあ。でも10年以上前に観てるのに、強烈な記憶だけが残ってるんです。もっかい観直したいですね。それでつまらなかったらショックだけど(笑)。

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超刺激的! タブー破りのDVD【3】

元フジテレビ局員・吉田正樹が語る「『ここまでやったら××かも』テレビマンが狙う"寸止め"の衝撃」

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吉田正樹氏の著書『人生で大切なことは
全部フジテレビで学んだ』

 本当の意味でタブーを破ったテレビ番組というのは存在しないと考えています。真にタブーを破っていたら、テレビでは放映できませんから。もしあるとしたら、ギリギリのところで「寸止め」をした番組でしょう。ここでは、僕が刺激を受けたり、実際にかかわったりした「寸止め」映像を紹介したいと思います。

 まずは『ビートたけしのお笑いウルトラクイズ!!』【1】。芸人たちを乗せたバスを伊豆の海に沈めるという名場面があり、腹がよじれるほどおかしいですね。沈んだバス内の水位が上がってくるのがわかる、バス車内の映像もすごい。ダチョウ倶楽部はあと15センチくらいしか隙間がないのに、それでも笑わせようとし続けました。あれはやはり、日本テレビのバラエティスタッフが蓄積してきたノウハウの成果でしょう。『天才・たけしの元気が出るテレビ!!』(日本テレビ)で確立された、人間をギリギリまで追い詰めるドキュメンタリーの手法で、僕のいたフジテレビには出せない世界でした。

 今のバラエティ番組から当時の面白さが失われたとしたら、「ここまでやったら死ぬかも」というテレビマンの野性の本能が衰えているから。作り手がギリギリの寸止めラインを知っているからこそ、過激な番組が作れたんです。だから、テレビマンはもう一度野性に帰ったらいいと僕は思う。

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超刺激的! タブー破りのDVD【2】

ひかりの輪代表・上祐史浩が語る「オウムを創り、その意思を継ぐポア計画を垣間見る作品の恐怖」

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 私は出家している身なので、普段あまり映画などは観ないのですが、今回は宗教界でタブーとなった、オウム真理教的な思想が垣間見れる3作をご紹介しましょう。

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主人公のジェイクは操縦士として、自らの意識をアバ
ターに移し、ナヴィたちと接触をはかる。(C)2010 Tw
entieth Century Fox Home Entertainment LLC. Al
l Rights Reserved.

 まず、オウム的な思想が感じられる作品といえば、『宇宙戦艦ヤマト』【1】。ヤマトがそもそも「戦艦大和」の復活であることに象徴されるように、同作は大日本帝国のオカルティックな部分と結び付いています。戦後の右翼思想に強い影響を与えた石原莞爾の『世界最終戦争論』を戯画的に再現すると、ヤマトの構図そのままになるんです。全員が日本人のヤマトの乗組員は大日本帝国、敵対するガミラス帝国の総統・デスラーはナチスとヒトラーのまさにパロディ。そして、石原莞爾が法華経を信仰し、仏教を奉じる日本が世界を制するとした通りにヤマトはガミラス帝国を破るのですが、それ自体が麻原・オウムの思想とそっくりでした。当時のオウムには「すすめオウムよ、ヤマトのように」という歌や、麻原と信者が一緒に宇宙船に乗っているアニメもありましたし、「コスモクリーナー」という毒ガス除去装置も、ヤマトの放射能除去装置「コスモクリーナーD」そのままです。

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超刺激的! タブー破りのDVD【1】

ハイパーメディアクリエイター・高城剛が語る「奇形、近親相姦、ケツの穴......固定観念を破壊した古典の傑作」

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(絵/小笠原徹)

──混迷する"斜陽大国"ニッポン。この先何が起こるかわからないこの国にあって我々がなすべきことは...... どんな刺激にも耐えられるよう、脳を鍛えておくことだ!! そのためには、刺激的な映像作品を目に焼き付けるしかない!! というわけで各界の著名人がセレクトしたタブー破りの刺激的DVD、とくとご覧あれ!!

『私の名前は、高城剛。住所不定、職業不明』

 これ、マガジンハウスから2月末発売予定の新刊のタイトルで、私生活から仕事まで、自分の考え方や生き方をQ&A方式でまとめています、とまずは宣伝(笑)。でも、この本の原稿、まだ書いてるんだよね(汗)。

「職業不明」とある通り、僕は肩書に縛られて仕事をしてきたつもりはないけど、映像制作というのは、自分の中では中心的な位置を占めています。この間まで、台湾で観光キャンペーンCMの制作総指揮もしていたし。


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老舗文学賞の失墜と本屋大賞の功罪【6】

「このミス大賞」が本当にオモロい? 市場に影響力がある文学賞はどれだ!!

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──老舗文学賞でもなかなか売り上げにつながらない今、文学賞の勢力図はどうなっているのか? 特に影響力がありそうな文学賞の昨年の売り上げと、賞の創設年数をもとにして、独断でマッピング。どの文学賞が市場にとって影響力があるかを見てみた。

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 昨年、ポプラ社小説大賞が、受賞作『KAGEROU』のおかげで一躍話題となった。しかしこれは異例の事態であり、今回の一件で同賞の存在を知った人も多いだろう。

 書評家・豊崎由美氏(当特集【5】にインタビュー掲載)によれば、「中堅以上の作家に与える賞としては、エンタメ系は吉川英治文学賞、純文学では野間文芸賞などが(小説の質を)信頼できる。老舗の新人賞では、一昨年、朝井リョウを輩出した小説すばる新人賞にもハズレが少ないですね」とのことだが、右記の図を見ると業界の信頼度がそのまま売り上げに反映されるというわけでもないようだ。

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老舗文学賞の失墜と本屋大賞の功罪【5】

辛口書評家・豊﨑由美が語る「文学賞は、バカを書店に連れてくるためにある!」

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豊﨑由美氏と大森望氏の共著『文学賞メ
ッタ斬り!〈2008年版〉たいへんよくできま
した編』

──これまで文学作品や小説家に辛口の苦言を呈し、『文学賞メッタ斬り!』(大森望と共著/新潮文庫)では、文学賞の意義について問うてきた文芸書評家の豊﨑由美氏。そんな豊﨑氏は、本屋が選ぶ文学賞、「本屋大賞」をどう見てるのか?

 本屋大賞の受賞作がなぜ売れるのか? その答えは割と簡単です。まずひとつは、本を売る現場の人たちの賞だからということ。売り方に熱が入って当然でしょ。もうひとつは、消費者の書店員への信頼感。一般の人って「書店員は、たくさん本を読んでいるはず」という思い込みがあるんですよ。ここ10年くらいの流行として、書店員の推薦文が帯に使われるケースが増えていますよね? これは、名前も知らない書評家より、身近な書店員の言葉のほうが信頼できるという、いわばクチコミ効果の延長線上のようなもの。本屋大賞はそれが一番機能している賞ともいえます。

 そしてもうひとつ、まったく売れそうにない本は受賞しない、というのは大きい。意地悪な人は「最初から売れていた本を、さらに売ってどうするの?」なんて言いますけど、そんな批判は的外れ。だって5万部の本を10万部にするってすごく大変なことなんですから。でも本屋大賞を獲れば、そういう桁の違う売れ方が可能になる。当たり前のことですけど、書店も商売なわけですよ。初版3000部の純文学が本屋大賞を獲って3万部になったくらいじゃ、書店は潤いませんからね。

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老舗文学賞の失墜と本屋大賞の功罪【4】

直木賞落選でホッとした? 山本周五郎賞作家・岩井志麻子大先生に聞く文学賞の価値

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──連載「愛のズルむけい地」で、本誌読者にはおなじみの岩井志麻子大先生。奇想天外な行動や濃厚な発言の数々で忘れがちだが、れっきとした山本周五郎賞作家であり、直木賞候補にもなった。そこで、そんな岩井大先生に作家にとって文学賞とはなんなのか? をあらためて聞いてみた。

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岩井志麻子先生の『ぼっけえ、きょうてえ』

 文学賞がらみでは昨年末、ポプラ社小説大賞の受賞作『KAGEROU』の話題で一色でしたね。彼は絶対、あの小説で男性ファンが急増しましたよ。セリフに散りばめられたダジャレのレベル、すごくないですか? 男前でサッカー選手で慶應義塾大学卒で嫁が人気歌手で、何もかも完璧すぎて、たぶん同性には嫌われてたでしょう。でも、あの信じられないほどオヤジくさいセンスを堂々とさらけ出す姿勢は、男からもウケまくったはず。以前、黒木瞳が、ブログに「私の得意料理です」と、キュウリを挿しただけのちくわをそのまま自慢げにアップして、女性からの好感度を急上昇させたことを思い出しました。

 昨今の文学賞について語るっていうことですけど。私はまったく賞とか文壇とか食いこんでませんから、何を言えばいいのかなぁ。食い込んでるのは韓国警察ぐらいなので。

 一応、日本ホラー小説大賞と山本周五郎賞という名前の通った文学賞は過去にもらってます。いまは色モノの道を突き進んでますが、本職は作家なので(笑)。

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老舗文学賞の失墜と本屋大賞の功罪【3】

本屋大賞実行委員に直撃! 本屋大賞創立の目的は「とにかく本を売ること」?

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本屋大賞実行委委員会が年3回出してい
るフリーペーパーの『LOVE書店!!』と、『本
の雑誌』の本屋大賞増刊号。

──最も影響力ある文学賞にはなった本屋大賞。だが、発足から8年目にしてさまざまなひずみが生じてきている様子。そんな現状を、本屋大賞の運営側はどう思っているだろう。NPO法人本屋大賞実行委員会で理事を務める杉江由次氏が、疑問に答えてくれた──。

──創設のきっかけはなんですか?

杉江由次(以下、) 03年頃に、営業で知り合った書店員さんと飲んでいて、本屋から発信する文学賞をやりたいねと話したのが最初です。

──発足当初から、このような規模の文学賞を目指していたんですか?

 いやいや全然。こんなに大きく注目されるようになって、一番驚いてるのは私たちです。最初は授賞式に作家の方が来てくれるとも思ってませんでした。

──やはり既存の文学賞、特に芥川・直木賞へのカウンターという意識があったんでしょうか。

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老舗文学賞の失墜と本屋大賞の功罪【2】

売り上げ部数では、芥川・直木賞を圧倒! 不満が漏れる「本屋大賞」の実態とは!?

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──2004年に産声を上げて以来、その受賞作が軒並み30万部以上のヒット作となっている「本屋大賞」。しかしその重要度の上昇、世間的な認知の広がりと共に、内外から不満や疑問の声も上がってきているという。一体、本屋大賞とはどんな賞で、どれほどの影響力があるのか? その実態を追った。

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歴代本屋大賞受賞作と発行部数
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 本屋大賞とは、全国の書店員が一番売りたい本を投票で選ぶ賞であり、「書店員の投票のみで大賞が決定する、開かれた新しい形の文学賞」である。2004年に第1回がスタートして以来、今年で8回目を数える。第1回の小川洋子『博士の愛した数式』(新潮社)をはじめ、歴代の1位作品にはずらりとベストセラーが並ぶ。

 昨年11月24日付の朝日新聞の記事「崩れゆく『壇』の権威」では、直木賞との勢いの差が明かされた。09年の本屋大賞1位『告白』(湊かなえ・双葉社)は70万部で、直木賞『鷺と雪』(北村薫・文藝春秋)は10万部、そして昨年の本屋大賞1位『天地明察』(冲方丁・角川書店)は38万部で、直木賞『小さいおうち』(中島京子著・文藝春秋)は11万部と、販売に対する影響力では本屋大賞の圧勝だ。

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老舗文学賞の失墜と本屋大賞の功罪【1】

出版業界の新タブー!? 直木賞、芥川賞、本屋大賞......文学賞に異議あり!

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──ここ数年、直木賞などの結果や内容に対して、不満の声が大きくなってきている。その一方、"書店員が選んだ一冊"をコンセプトに発足した「本屋大賞」の受賞作が、毎年確実に売り上げを伸ばし、注目を集めている。これまで権威のあった文学賞への不信感は募り、新設の文学賞が元気がいいのだ。この状況を、文芸作家や書評家は、どう見ているのか?台風の目となっている「本屋大賞」の実態を追いつつ、過渡期にある現在の文学賞の意義を問う。

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(絵/師岡トオル)

 本が売れない。出版関係者たちの口ぐせとなっていたつぶやきが、いまや世間にまで浸透している。特に文芸作品の売れ行きの悪さは深刻だ。大御所の作家でさえ、初版2000〜3000部が当たり前で、それでも増刷どころか在庫の残る作品が大多数だという。現在の出版不況を脱するには、すべての文芸小説の出版を一時停止して、人気マンガなど売れ筋の優良コンテンツだけで市場を埋めるしかないのでは? という意見も出てくるほどだ。

 しかし、ここで明確にしておきたいのは、小説は売れないのではなくて、売れる小説と売れない小説の二極化が進みすぎているだけだ。出版ビジネスにおける全体のパイは、750万部という戦後最大のベストセラー『窓ぎわのトットちゃん』(講談社)が出版された1980年代から、それほど変わっていないはずだろう。

 もともと小説は売れるものではない。日本の文芸作品で1000万部を超えた作品はまだひとつもないし、5万部売れただけで大ヒットなどと言われる現状は、ほかの業界からは失笑されるに違いない。


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『さらば、既得権益はびこるレッドオーシャン化した批評界!』


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