社会

70歳への手術は妥当だったのか?

脂肪吸引事故で医師逮捕! 大手美容整形外科が抱える病巣

関連タグ :  |  |  | 

1106_nsshinagawa.jpg
品川美容外科の公式HPより。

 受話器の向こうの声は冷たかった。「痛みは2日ほど続きますから」。病院で手術を受け、帰宅後に調子を崩し、もがき苦しむ患者が発したSOSに対して、病院側が告げた言葉がそれだった。

 東京を拠点に全国展開をみせる美容整形業界のトップ「品川美容外科」で、2009年暮れ、腹部の脂肪吸引を受けた前田京さん(70歳)が手術後まもなく死亡する医療事故が起きた。術後、異状を訴えた前田さんに対する病院側のつれない対応、そして突然訪れた死......。マスコミの取材に応じた前田さんの長男は当時、「病院からは、なんの説明もない」と言い知れぬやり切れなさをにじませていた。

続きを読む


社会

アメリカ軍のしたたかな作戦

福島原発事故は「研究材料」!? 米軍が秘かに進めた情報収集

関連タグ :  |  |  |  | 

1106_nsgenpatu.jpg
『隠される原子力・核の真実』

 福島第一原発事故に対する、政府の対応の遅さやまずさが指摘されて久しい。そもそも、政府は3月12日に、同事故の評価を「レベル4」と発表、17日には「レベル5」に上げ、それに見合う措置として原発から半径20キロ圏内の住民に避難を指示したはずだった。にもかかわらず、4月12日になって「レベル7」という最悪の評価に変更。国民の間には「官邸は最初からレベル7だとわかっていたのに、対応策を講じられないがゆえに隠していたのではないか?」との不信感が募った。

 さらに本誌は、こんな情報に遭遇した。原発事故後の重要なデータがアメリカに握られる一方、日本政府には、特に早期段階では十分届いていなかった疑いがあるというのだ──。

 3月17日朝、原子炉建屋が次々と爆発・炎上していた福島第一原発の上空を、数トンもの水を入れた巨大な容器をぶら下げて旋回する自衛隊ヘリの姿がテレビ画面に映し出されていた。その3日前には、復旧作業に当たっていた東電社員と自衛官が水素爆発に巻き込まれて、計11人が重軽傷を負い、事態は緊迫の度を深めていた。

続きを読む


社会

世紀の大物親分をめぐる噂の数々

六代目山口組組長の出所に沸いたマスコミの報道合戦と舞台裏

関連タグ :  |  |  |  |  |  | 

 4月9日午前6時、東京・府中市の府中刑務所から六代目山口組・司忍(本名・篠田建市)組長が5年4カ月の服役期間を終え、出所した。

1106_tsukasashinobu.jpg
溝口敦氏の著書『山口組動乱』

「府中刑務所付近には、テレビや新聞はもちろん、通信社や海外メディアまで含めると、約60名の記者やカメラマンが集まっていた。『山口組の司組長が、今出てきました!』という日本語のリポートがあちこちで聞かれたが、海外メディアも自国に向かって生中継をしていたようだ」

 現場に足を運んだ全国紙の記者がこう語るように、準構成員を含め4万人といわれる組織のトップの"社会復帰"に国内外のあらゆるメディアが注目した格好だ。

「司組長を乗せたワンボックスカーが刑務所から出てくるや周囲は騒然となりましたが、撮影ポイントが入り口からかなり遠く、各媒体、ここでは司組長の姿を押さえることはできませんでしたね。府中を出たワンボックスは都内某所に立ち寄り、そこで司組長も身支度を整えたそうですが、品川駅から新幹線で新神戸駅に向かいました。5年4カ月ぶりの大親分の姿は品川駅で初めてカメラに収めることができたそうです」(同)

続きを読む


社会

「活動家一丁あがり!」

今の若者たちに求められる活動家養成講座って何だ!?

関連タグ :  |  |  |  |  | 

 チュニジア、エジプト、リビア......世界中で起きる反政府デモ。そんなデモには及ばずとも、今の日本でも、規模は小さいがデモや集会を行おうという機運が高まっている。そして、そんな若者たちを支えているもののひとつが、「活動家一丁あがり!」講座だ。社会にモノ言う活動家を育てようという奇抜なコンセプトの同講座は、NPO法人アジア太平洋資料センター(PARC)主催で、「年越し派遣村」の村長などで知られる、反貧困ネットワーク事務局長の湯浅誠氏らが中心となり行われている。果たして、その内容や講座開設の真意は?湯浅氏への取材は、同氏が急遽、政府の震災ボランティア連携室長に就任したためかなわなかったが、同講座の実行委員のひとりである、PARC職員の京野楽弥子さんが話を聞かせてくれた。

1105_nskmain.jpg
PARC職員の京野楽弥子さん。(写真/山本宏樹)

京野(以下、) 講座開設のきっかけは、PARCの理事でもある湯浅さんが、「この社会って生きにくいよね」と思いながらも、何も言わずにあきらめてしまっている若者があまりに多いことに違和感を持っていたからなんです。ただ、そうした若者たちは、社会に対してモノ言う方法すら知らないから、具体的な行動に移せない。そして結局「生きにくいのは自分のせいだから自分が悪い」と自己責任の負のスパイラルに陥ってしまう。だからこそ、何かおかしいと思った時に、自由にモノを言えるためのノウハウを教える必要があるんじゃないか、と。そこで、湯浅さんはじめ10名の活動家が実行委員になって2009年に「活動家一丁上がり!」を開始しました。現在は5月から始まる3期生を募集中です。

続きを読む


社会

総連関係者も怒鳴り込む!?

"入国禁止"の映画監督が映す素顔の北朝鮮と家族の絆

関連タグ :  |  |  |  |  | 

 兄のマンションでくつろぐ両親、父親の古希を祝うためレストランに勢揃いした家族や知人たち、ボウリング場ではしゃぐ姪や甥っ子......。スクリーンに映し出される光景は、ごく平凡なホームビデオの映像となんら変わりない。ただ、父親が朝鮮総連(在日本朝鮮人総聯合会)の元幹部で、兄たちが暮らすのは、北朝鮮の首都・平壌であることを除けば。

1105_main_kitamovie.jpg
日本で生まれ育ち、ニューヨークへの留学経験もある
梁監督に、幼い姪のソナが、これまでに観た演劇につ
いて尋ねるシーンが印象的。なお、成長したソナはそ
の後、大学の英文科に入学しているとのこと。

 在日コリアン二世である梁英姫(ヤン・ヨンヒ)監督のドキュメンタリー映画『ディア・ピョンヤン』(05)は、梁監督が6歳の時に帰国事業(1 950年代に始まった、在日朝鮮人による北朝鮮への集団移住)で未知なる祖国・北朝鮮に渡った3人の兄たちの平壌での暮らし、そして対外的には「将軍様に忠誠を」と唱えながらも息子たちを北朝鮮に送ったことに後悔の念を抱く父親、せっせと平壌に仕送りを続ける母親の姿をビデオカメラで収めたもの。巨大マスゲームや脱北者といったニュース映像とは異なる、平壌で暮らす一般市民の日常風景が新鮮な印象を与える。06年ベルリン映画祭最優秀アジア映画賞を受賞するなど、世界各国の映画祭で高い評価を得た。だが、同作の公開後、監督は北朝鮮への入国を禁じられてしまった。その状況下で、前作で使用しなかったシーンを中心に構成し、5年ぶりの続編『愛しきソナ』を完成させた梁監督に、入国禁止になった経緯や、マスコミ報道では見えてこない北朝鮮の内情について聞いた。

続きを読む


社会

権力が暴走する韓国の真実

280万人動員のヒット作が映す韓国史上最悪の汚職事件の闇

関連タグ :  |  |  |  | 

 4月29日、韓国で話題となった映画『生き残るための3つの取引』が公開される。警察の犯人捏造や検察と裏社会の接待関係など、国家組織の汚職問題を描いた作品だ。実は韓国では、同作が公開される直前の2010年9月28日、検察を舞台とした大規模な接待汚職事件、いわゆる「検事とスポンサー」事件に対する特別検察チームの捜査が同国民の失望の中で終結していた。

映画『生き残るための3つの取引』より。

「1984年から25年間にわたって多数の検事に対する接待を続け、定期的に金品も渡した。高級クラブでの供応は数百回に及び、性接待(買春あっせん)をしてやった検事だけでも軽く100人を超える──」

 事件は10年4月、こんな衝撃的な証言で幕を開けた。MBCテレビのドキュメンタリー番組に登場し、「検事買収」の手口を赤裸々に明かした元建設業者A氏は、「(接待した検事らに頼めば)事件のほとんどをもみ消すことができた」とも話した。

 接待を受けていた検事は、A氏がメモに残していただけでも57人。中には現職の最高検監察部長や釜山地検トップも含まれていた。

続きを読む


社会

ナックルズを作った漢がついに口を割った!

脅迫、殺人予告、逮捕通告......日本一危険な編集者の告白

関連タグ :  |  |  | 

「ダークサイドJAPAN」「実話ナックルズ」(共にミリオン出版)など、一般誌は避けて書かないアンダーグラウンドな情報を大胆に報じる実話誌の編集長を歴任し、業界内から一目置かれている久田将義氏。しかし、扱う内容が内容だけに、ヤクザをはじめ政治家、文化人などからのクレームも絶えないという。これまでの裁判件数は十数件、怒鳴られ脅された件数は数えきれない。そんな久田氏の著書『トラブルなう』(同)は、彼が遭遇したトラブルとその対処法、反省点を記録している。まさに、編集者という仕事のダークサイドの総決算といえるだろう。そんな本書を、編集者に憧れを抱く女子大生が読み、久田氏に疑問をぶつけた。女子よ、それでも編集者になりたいか!?

──ご本を読ませていただきました。どのトラブルもめちゃ怖かったですー。久田サン的にいちばん怖かったトラブルを教えてくださいっ☆

1105_hisada.jpg
久田将義氏。

久田(以下、) 本書の最初に書いたエピソードが、いちばん怖かったです。うっかりあるヤクザの写真を雑誌に載せちゃったことで、仲介役のヤクザに詰められて......。そのヤクザは、ほかのヤクザを脅して200万円引っ張ってくるような人なので、僕なんか簡単にキャンって言わせられる。それで、深夜に電話がかかってきて「お前を殺す! それでワシの男が立つんや」と怒鳴られて、「マジかよ」と恐怖を感じました。結局、なんとか解決に持っていきましたが。

──私が編集者になってトラブルが起きたら、どうしたらいいですか?

 相手の話を聞くしかないですね。相手も話せば落ち着きます。それと、ヤクザに謝りに行くときは、「とらやの羊羹」を持っていくこと。定番です。でもやっぱり編集長がしっかりしてないと、部下は不安だと思います。僕は、部下はもちろん会社の上司にも迷惑はかけちゃいけないと思うので、「お前の上、出さんかい」と言われても「いや僕が責任者ですから」と言います。それは義務だと思う。

続きを読む


社会

マスコミを牛耳る巨額マネーの実態

政官民の"パチンコ村"が生んだ20兆円タブーの裏を追及する男

関連タグ :  |  |  |  |  | 

1105_wakamiya.jpg
パチンコ問題を追求し続ける若宮健氏。

 20兆円ビジネスといわれるパチンコ産業。遊技人口は約2000万人といわれる、国内最大の娯楽産業のひとつといっていいだろう。一方で、パチンコが換金目的のギャンブルであることは公然の事実。公営ギャンブルを除き、賭け事が禁止されている法治国家の日本で、ここまで大っぴらに違法行為が許されているのは、いまさらながら奇妙な話だ。外資系通信社のアメリカ人記者は、「日本で最も理解不可能なのがパチンコの存在」と言い、「違法と知り、さまざまな弊害を生み出していながら、誰も触れない。警察や政治家、メディアまでも。まったくもって不思議な国」と首を傾げる。

 1930年代に広まり始めたとされるパチンコは、第二次大戦後、法規制により経営リスクが高まったことで国内企業が相次いで撤退。結果、半島系ビジネスとして成長を続けて、現在は7〜8割が朝鮮系経営者、残りが日系および台湾系といわれている。民団や朝鮮総連の多くの幹部がパチンコビジネスに直接関与し、業界の利益が両団体の重要な資金源となっていることは広く知られている。

続きを読む


社会

大手メディアが伝えない震災報道の裏

消された自殺、逃げた記者......メディアを襲った激震の20日間

関連タグ :  |  |  |  |  |  |  |  | 

──東日本大震災発生後、メディアは震災報道一色となった。被害や被災地の状況だけではなく、原発事故の状況やそれらに対する政府や東電の対応など、報じるニュースは24時間事欠かず、前例のない報道シフトが組まれた。記者は業務に忙殺され、2週間自宅に戻れなかった者もざらにいたという。そんな中であふれ返った震災関連情報の向こうで起こっていたこととは? 週刊誌ベテラン記者(A)、大手紙社会部デスク(B)、民放社会部記者(C)に、震災後の「20日間」を振り返ってもらった。

1105_sasamura.jpg
いわき市小名浜港近くの街中。地域によって、報道量
の差が出たことも問題となった。(写真/笹村泰夫)

A 3月11日の地震は、未曾有の惨事をもたらした。マスコミは何を伝え、何を伝えなかったのか、振り返ってみたい。

B 震災当日といえば、朝から菅直人首相の外国人献金が報じられて大騒ぎに。午後、石原慎太郎都知事の出馬表明が続き、てんやわんやの渦中に、あの地震と津波がやってきた。わが編集局フロアもパニックに陥っていたよ。

C 僕は間髪入れず、宮城県気仙沼市へタクシーで飛びました。現場はまるで爆弾で破壊された街のようで、陸に打ち上げられた漁船の重油に次々と火がつき、火の海と化したのに消火する者が誰もいなくて、心底怖かった。

続きを読む


社会

利権にまみれた原発問題に解決策はあるのか?

民主党と知事の蜜月が生んだ福島発 "原発立国ニッポン"への道程

関連タグ :  |  |  |  |  |  |  |  | 

「東電の社長が、お詫びに伺いたいと言ってきた。でも、県民の不安や怒りを察すると、受けられない。東電は死力を尽くして事態を収束することが、何よりも先じゃないか」

1105_ns_fukushimaimage.jpg
福島県知事をめぐる深い闇。

 東日本大震災後の3月22日、テレビカメラの前で顔を真っ赤に染めて怒りを爆発させたのは、福島県の佐藤雄平知事である。「浜通り」と呼ばれる太平洋側に立地された福島第一原発の放射能漏れにストップがかからず、退避ラインが、原発を中心にした半径20キロから30キロ圏内へとじわじわと広げられたことに頭を抱え、「福島が、原発爆発事故で飛散した死の灰をかぶったチェルノブイリみたいな地帯になるんじゃないか」と案ずる福島県のトップだ。

 すでに、県民の間では関東地方などへの集団移住も始まっており、佐藤知事の穏やかならぬ心中は察して余りある。だが、これまで福島の原発にまつわる政治家との不適切な関係をウオッチしてきた本誌としては、知事の言葉に首をかしげてしまう部分もあるのだ。

続きを読む


連載
ITインサイドレポート
佐々木俊尚の
ITインサイドレポート
『激変するITビジネスとカルチャーの深層を鋭く抉る!』

マル激 TALK ON DEMAND
神保哲生×宮台真司の
マル激 TALK ON DEMAND
『ゲストと共に“ワンテーマ”を掘下げるネット発の時事鼎談。』

未来からのシナン-目指せ!
田中圭一の
未来からのシナン
『現代のビジネスマンたちの悩みを解決する、超SFマンガ。』


最新号
  • 特集
  • ニュース
  • 連載
  • インタビュー
  • キャンペーン
BACK NUMBER
2024年11月号
公式アカウント
twitter
facebook
RSS

tweet一覧