【小田嶋隆】中野区――誰が猫を殺したのか?押しの強い彼女と空っぽな彼
―― 中野の駅から北に歩いて、早稲田通りを渡ると、街の区画がほんの少し細かくなる。そこから西武新宿線の野方駅の方向を目指して北西に進むと、街路はさらに狭く入り組んでくる。そんな中野区の典型的な住宅街の中にあ...
―― 中野の駅から北に歩いて、早稲田通りを渡ると、街の区画がほんの少し細かくなる。そこから西武新宿線の野方駅の方向を目指して北西に進むと、街路はさらに狭く入り組んでくる。そんな中野区の典型的な住宅街の中にあ...
―― アダルトグッズの市場規模が2000億円にも及ぶ日本において、その主体はもちろん男性であるが、自主的にバイブやローターを手に取る女性も1割程度はいるという。女性向けグッズ市場を眺めることで見えてくる、日...
―― 前回は、ミシェル・フーコーの「生−権力」という概念について考察しました。「生−権力」とは、フーコーが1976年の著作『性の歴史1 知への意志』のなかで提起した概念です。その概念によってフーコーは、それ...
―― 『裸の大陸』なるAVシリーズをご存知だろうか? 本誌にも度々ご登場いただいたAV監督・長瀬ハワイ氏らが手がける名物AV企画である。ここでは、かねてからこのシリーズを興味深く観続けてきたという人類学者...
―― 今日、日本の水道行政は多くの問題を抱えている。高度成長期に整備された水道網は40年の耐用年数を迎え、全国では交換が必要な水道管が8万キロにも及ぶという。これを現在のペースで交換すると130年かかるとさ...
―― 北から南まで、日本各地ではさまざまな喧嘩祭りが行われている。愛媛県新居浜市の秋祭り「新居浜太鼓祭り」や「灘のけんか祭り」(兵庫県姫路市白浜町)。「角舘祭りのやま行事」(秋田県仙北市)のように神輿や山車...
―― 女性の胸コンプレックスという話はよく聞くが、実は女性同士でもっとも熱を帯びる話になるのが、乳輪の形状なのだという。ここでは、これまでなかなかとりあげられることのなかった乳輪について、海外の論文や整形外...
―― ITではアメリカに、ものづくりでは中国に負けて、にっちもさっちも行かなくなっている我がニッポン。高齢化と少子化で人口減少待ったなし。さらには科学技術も先行き真っ暗。そんな中でも僕たちは、なんとかギリギ...
―― 小池百合子都知事が率いた「都民ファースト」が圧勝した7月の都議選。この結果を見て、自民党に対する逆風を感じた人も多いかもしれない。しかしこの背景には、むしろ自民党内の派閥争いが表面化してきたことが見て...
―― こんにちは、私は岩波明という精神科医です。精神科というのはほかの医療分野に比べまだ未解明な部分も多く、いまでは完全に否定された治療法が、少し前まで普通に医療現場で利用されていたといったことも珍しくあり...
―― 筆者が会社員だった10余年前、当時40代の取引先男性がこんなことを言っていた。「共働き夫婦が結婚して1~2年もたてば、仕事の愚痴以外に話すことも一緒に取り組むこともなくなるから、注意したほうがいいよ」...
―― 「捜査機関が常時国民の動静を監視するようになるといったご懸念はまったく無用のものであります」「この条約(国際組織犯罪防止条約)の締結に必要な国内法としてテロ等準備罪処罰法を成立させ、この条約を早期に締...
―― トランプ大統領誕生後、なにかと注目を集めるアメリカの動向だが、現在これらを予見したとされる映画が話題になっている。こうした作品が映画専門チャンネル「スターチャンネル」で放送されるという。
―― 常夏の楽園――。ハワイをそんなイメージのリゾート地ととらえている読者は少なくないだろう。一方、彼の地には多様な民族が生活し、その中で日系人たちに育まれてきたボンダンスと呼ばれる盆踊りがある。それを現地...
―― 90年代、“渋谷系”のアイコンとなった小山田圭吾。フリッパーズ・ギター解散後はソロ・ユニットのコーネリアスを始動し、一連の作品は世界的にも高く評価された――という話はよく知られているが、なんと11年ぶ...
―― 近年、統計学という学問がとても注目されています。ビジネス書には統計学を指南する本があふれていますし、大学でも統計学を教育課程のなかに組み込むところが少しずつですが増えています。少しまえに「ビッグデータ...
―― 本駒込にある七子の母親の実家に関して、弁護士から相続の手続きを求める連絡を受けたのは、1998年の7月のことだった。当時、七子は夫の篠田に対して離婚の申し立てをしていた時期で、夫婦関係の決裂を予期して...
―― 芥川賞を受賞した又吉直樹などに象徴されるように、このところの文芸界では“二足のわらじ作家”の存在が目立つ。一説によると『火花』ヒット以降、文芸系出版社の編集者たちは、「ネクスト又吉」探しに躍起になって...
―― 5月30日、改正個人情報保護法が施行された。もともと、03年に制定された現行の個人情報保護法は、SNSやビッグデータなどの存在を前提としていなかったため、今日のスマホ普及やすべてのネットワークがつなが...
―― 昨年から今年にかけて、「長生きは幸せなのか?」と問う本が続々刊行されている。高齢化社会が叫ばれて久しく、昨今では、平均寿命100歳時代が来るともいわれる中、その死生観を宗教学者はどう捉えているのか? ...
―― 日本では右派、左派ともに過激な思想・行動を特徴とする集団が増加し、アメリカにおけるトランプ政権の誕生は、イスラム原理主義へのカウンターとも見られている。敵味方をハッキリと選り分け、敵対勢力の殲滅をもく...
―― 日本では1970年代初頭から翻訳書が発売され、哲学者の鶴見俊輔、宗教学者の島田裕巳、中沢新一、社会学者の見田宗介、ミュージシャンの細野晴臣らから熱烈な支持を受けたカルロス・カスタネダの『ドン・ファン』...
―― 山口敬之『総理』『暗闘』、阿比留瑠比『総理の誕生』、青木理『安倍三代』。“保守街道”をひた走る安倍晋三。彼を描いたルポ本も花盛りだ。そんな「安倍本」を、新聞記者らはどう読むのか? 何人かの現役記者に...
―― 連続する弾道ミサイルの発射や金正恩氏の過激な発言など、今、北朝鮮関連の話題がメディアに登場しない日はない。しかし、彼らの文化について報じられることはほとんどないだろう。そこで本稿では、北朝鮮文学、そし...
―― 私が生まれ育った北朝鮮では、学校や地域に図書館もなかったし、街に本屋もありませんでした。平壌や都市部は別でしょうが、私が育った地域では子どもが普段手に取れる本といえば、学校で与えられた教科書のみ。もし...
―― 各地の祭りをめぐっていると、少々とっぽい男たちが装束や浴衣をビシッと着こなし、祭りの中心で重要な役割を果たしている光景を目にする。彼らの横に並ぶと、生真面目なサラリーマン風男性が頼りなく見え、やはり祭...
―― 日本を代表する大作家・村上春樹。新刊が出るたびに、本屋にハルキストが集結しマスメディアを巻き込んで一種の“祭り”状態にもなる彼だが、最近では揶揄や批判も多い。そこで、今ここであえて純粋に村上春樹の文学...
―― 公新書から出された『応仁の乱』がバカみたいに売れている。日本史関連の書籍としては異例のことだというが、知られざる史実をつまびらかにしたような本当に面白い書籍は、ほかにもあるのではないか――。そんなヤバ...
―― まず、性について“知られざる”本を紹介する上で欠かせないのは、アメリカの医学書を浜松藩の藩医であった千葉繁が翻訳した『造化機論』【1】でしょう。同書は、性についての医学書という意味では日本の草分け的な...
―― 2013年5月13日付の「読売新聞」にて、安土桃山時代に日本人奴隷3人がメキシコに渡っていたことを示す史料が発見されたと、いささかセンセーショナルに報じられました。日本人と“奴隷”というワードは一般的...
―― 「歴女」といわれる歴史好きの女性ファンが増えるなど、いま、歴史がブームとなっています。戦国時代と幕末がもっとも人気があるとはよくいわれることですが、なかでも一番人気は、やはり織田信長ですね。そこで私が...
―― 日本の戦中戦後史というと、軍部=悪、庶民=善というふうに単純化されがちですが、それだと当時を生きていた人間の厚みは見えてこない。もっと重層的なものの見方が必要だと思うんです。そこでまず紹介するのは『...
―― 家の本棚に、まさに今回の企画にピッタリじゃないかという本がありましたよ。『天才と異才の日本科学史』という本なんですけど、これは面白いです。もともとは『ウソかホントかわからない やりすぎ都市伝説』(テレ...
―― ITが生活の中で浸透し、いよいよAI時代に入ろうとしている昨今。しかし、日本国内ではこれだけITがインフラ化しているにもかかわらず、そうした技術への一般的な知識も乏しく、法整備さえままならない状態だ。...
―― まだ、日本では未発売だが今後、映画化されそうな海外文学を「未翻訳ブックレビュー」運営者の@kaseinoji氏に選んでもらった。
―― フジテレビ肝煎りの月9ドラマ『貴族探偵』が不調で、社長の更迭や月9枠廃止まで取り沙汰されているが、その失敗の要因はもう少し冷静に分析する必要がある。そもそも原作に据えた「ジャンル小説」が実写化に不向き...
―― メガバンク最大手の三菱東京UFJ銀行が異変続きだ。行名の変更が報道されたり、頭取が健康上の理由で電撃辞任となった。不安定な経済政策の中で、この退任をきっかけに、行内の混乱ぶりが話題になっている。
―― 美智子妃や女性皇族らがみずからの手で紡いだストーリー、そして、彼女たちが愛する我が子のために読み聞かせた数々の絵本たち。それらの本にはやはり、やんごとなきパワーが宿っているのか? 辛酸なめ子氏と共に徹...
―― 世界に冠たる日本のトップ自動車メーカーにおける世襲問題を描き、シャープや東芝といった電機メーカーに続いて、国家の屋台骨を支える日本自動車産業の崩壊を予測しているとされる『トヨトミの野望』。トヨタ創業家...
―― 森友学園問題、そして加計学園問題と、スキャンダルが続く安倍政権。しかもそのいずれもが、政権への国民の信頼を根幹から揺るがしかねない問題含みの大疑惑である。こうしたゴタゴタ続きの政権の裏側を、日々取材に...
―― 本誌にたびたび登場したラッパーのMC漢。新宿のアンダーグラウンドをラップしてきた彼の自伝は3万部も売れた。キワどい実体験が綴られた同書は確かに面白いが、いつも“オレ”のことを歌うラッパーたちは、なぜ自...
―― パンチラインとはラップのリリックにおいてとりわけ印象的で優れた一節のことであるが、それはやはり、ラッパーの自伝にも散見されるのだ。
―― いま、芸能人の中で政界転身の可能性が最も高いと言われているのが、かつて“ヘキサゴンファミリー”のグループ『羞恥心』で歌手として活躍した上地雄輔だ。
―― しばらくぶりに隅田公園に来ている。20年ぶりになる。以前ここに来たのは、西新宿の共同アパートから夜逃げをした時だったろうか。以来、健二にとって、この公園は再出発の場所になっている。今度はどの程度の期間...
―― 『レボリューショナリー・ロード/燃え尽きるまで』のDVDのジャケットには、タバコの警告表示よろしく「パートナーとの関係を破壊するおそれがあります」と大きく書いておくべきだ。
―― 「メキシコ国境に壁を建設する」「環太平洋連携協定(TPP)から離脱する」――。2017年1月20日の就任直後からトランプ大統領は、選挙公約として掲げていた突飛な政策を実行に移すべく、数々の「大統領令」...
―― 2009年から14年まで某国民的アイドルグループに在籍、翌15年にはセクシー女優としてデビューし、トップ女優へと華麗なる転身を遂げた、三上悠亜。重度のアイドルのオタクであることでも知られる彼女が語る「...
―― 日本の歴史上、天皇が表立って行動する時代は混乱期であることが多い……? 日本近代史と日本中世史、歴史学界の泰斗である2氏が、その豊富な歴史的知識をもってして問い直す、教育勅語問題、そして天皇退位がニ...
―― 1890(明治23)年に明治天皇より“下賜”された、わずか315文字の文章で構成された「教育勅語」。要は「日本の教育はかくあるべし」との“お言葉”であるが、いま、この教育勅語ががぜん注目を集めている。...