今年、ついに人類は滅亡する! ハルマゲドンはもうすぐだ! 何度目かわからない終末論がSNSで拡散されている。東日本大震災を見抜いたという、とあるマンガ作品に描かれていたからだ。「陰謀論者の妄想だ」と言うなかれ。天下の毎日新聞でさえも真面目に考察しているのだから、もう終わりだ……。本当に人類は滅亡してしまうのか? 新進気鋭の怪事解明ライターが、この言説をひもといていく。
2025年7月、地球に隕石が衝突する──。こんな終末予言を耳にしたことはないだろうか? ある程度の年齢以上の読者であれば、1999年のノストラダムスに2012年のマヤ暦予言と、何度空騒ぎをすればよいのかと一笑に付すかもしれない。
この説の根拠とされるのは、たつき諒氏によるマンガ『私が見た未来』である。この作品は30ページほどの短編(書籍には複数の短編が収録されているが、災害予言と関係するのは同名の作品のみである)で、作者の見た夢が現実になった体験が描写されている。
SNSでは、この作品がさまざまな出来事を予言している(フレディ・マーキュリーの死、阪神淡路大震災、東日本大震災、尾崎豊の死、新型コロナウイルスの流行など)とされているが、実はそれらのうち、作中に描写があるのはフレディの死だけである。
この描写にしても、作中で強調されている2つの年月日(76年11月で日付描写はない、86年11月28日)はどちらも外れており(フレディが死去したのは91年11月24日)、一応的中しているといえるのは「11月」のみである。
それ以外の予言についてはどうだろうか? 最もよく知られているのは東日本大震災であり、これは表紙の絵を見ると、確かに「大災害は2011年3月」とある。これ以上の情報は書かれていないものの、一応予言は的中したといえなくもない。
続いて阪神淡路大震災については、同じく表紙の「1995年1月2日に見た夢 荒れてヒビの入った大地 『連れてって』と言ったら『5年たったら迎えに来る』」という部分(かなり目を凝らさないと読めないほどに文字が小さい)が根拠とされている。こちらについてはそもそも文言が「1995年1月2日に見た夢」であり、地震の時期に言及しているわけではないうえ、日付もずれている。