サイゾーpremium  > 連載  > [人材育成イノベーター]韮原祐介の匠たちの育成哲学【2】
連載
[人材育成イノベーター]韮原祐介の匠たちの育成哲学【2】

挑戦をやめたときが 指導者を辞めるとき―― 日本代表コーチと考える「限界突破教育」

+お気に入りに追加

[今回のゲスト]
米谷優
スキー日本代表チームコーチ実業団マネージャー

パーソナリティ心理学を活かして組織と人材の課題を解決するコンサル企業「HRD 株式会社」代表取締役・韮原祐介氏が、“人を育てる立場”にある、各界のリーダーやトップをゲストに迎え、人材育成と自己成長をテーマに語り合う当連載。第2回となる今回はスキー日本代表チームコーチである米谷優氏と「教えること」について本音で語り合う――。

202502_nirahara_01_520.jpg
(写真/増永彩子)

米谷 韮原さんと初めてお会いしたのは、2019年3月、それこそスキー場でした。僕自身、現役を引退して、これからどんなセカンドキャリアを築いていこうかなと模索していた時期。僕たちがやっているフリースタイルスキーは新しい競技で、引退したアスリートのロールモデルが少なく手探りでした。新しいことを始める時って、やっぱり不安じゃないですか。そんな時にアドバイスをもらうとしたら、別の競技の人やビジネスパーソンなどで成功している人もいいのかなって。これまで学んだことを噛み砕いて自分の中にもう一度落とし込んでいくということが必要だと思ったんです。

韮原 それはそれは。ただの遊びでスキーに行っただけのつもりでした(笑)。改めて伺いたいのですが、そもそもフリースタイルスキーとはどういう競技なのでしょうか?

米谷 スノーボードやスケートボードのような競技をスキーの道具を使って行うと言えばわかりやすいでしょう。タイムや飛行距離ではなく、難易度やクリエイティビティの評価を競う採点競技です。採点も、新しい技で回転軸が増えたとか、アート的な要素があるとか、誰もやっていないことも評価される世界です。

202502_nirahara_02_320.jpg
2017年に行われた韓国・ナショナルカップでの表彰台。(写真/米谷氏提供)

韮原 米谷さんのご出身は東京です。なぜスキーを本格的に始めたのでしょうか?

米谷 まず、両親がスポーツ関係の仕事をしていました。子どもの頃、スキーに連れて行ってもらって楽しかった記憶もあります。そして、中学2年生の林間学校のような行事でスキーに行ったのですが、それがものすごくおもしろくて。夢中でコースを滑っていたら、指導してくださった方に「本格的にやってみないか?」と勧められて。

韮原 才能を見抜かれたんだ。

米谷 相当楽しそうに滑ってたんでしょう(笑)。担任の先生も、学校来なくていいからスキーでいけるところまでやってみろとか、周りの人が全員、やれるところまでやってみなよと言ってくれて。両親も放任主義というか(笑)。そしてカップラーメンを買い込んで夜行バスに乗ってゲレンデに行って。当時1000円だったかな、仮眠室で泊まって、オープンからクローズまで一人独学で延々と滑っていました。そういった生活を高校1年生ぐらいまで続けましたね。

韮原 フリースタイルスキーとの出会いは?

ログインして続きを読む
続きを読みたい方は...

Recommended by logly
サイゾープレミアム

2025年2月号

NEWS SOURCE

サイゾーパブリシティ