――情報屋を主人公にしたクライム・サスペンス『インフォーマ』上質なエンタメ作品に作り手たちが込めたフィロソフィーとは?
(写真/Shunichi Oda)
11-12月期に放送され、ABEMAオリジナルドラマとして過去最大のヒットを記録した『インフォーマ -闇を生きる獣たち-』。情報屋・木原慶次郎の活躍を軸に、国家的機密情報をめぐる男たちの命を削る攻防を、迫力ある映像と先が読めないシナリオで描き、今もなお再生回数が伸び続けている話題作だ。
『インフォーマ -闇を生きる獣たち-』沖田が原作・監修を務め、藤井が企画・プロデュースを担当。主人公の木原を桐谷健太が、相棒の三島を佐野玲於が演じる。今作では、莉子、池内博之、二宮和也、山田孝之ら豪華俳優陣が脇を固めたことも話題に。ABEMAにて視聴可能。原作小説『インフォーマ2 ヒット・アンド・アウェイ』(サイゾー文芸部/画像右)も好評発売中。
本作の生みの親が、作家の沖田臥竜と映画監督の藤井道人。藤井の代表作のひとつ『ヤクザと家族 The Family』の監修を沖田が務めたことで関係を深めた2人。その後、ドラマ『ムショぼけ』(朝日放送、21年)でのタッグを経て、23年に『インフォーマ』(カンテレ)を手がけた。今作はその続編だった。
『インフォーマ』は、各業界の裏表の情報に通じる沖田の辣腕ぶりを目の当たりにした藤井が、「情報屋をテーマにした作品を作りませんか?」と持ちかけたところから始まった。
「プロットを書き始めたときは、SNSをめぐる状況へのアンチテーゼでもあった。SNSでは、人を叩き、落とすことがまかり通っている。週刊誌もそうですが、情報ひとつで人の人生を平気で狂わせる。だからこそ、情報を扱うことに命と誇りをかける男を主人公にして、その本質的な価値を伝えたかった。情報は人を守り、社会を良くするために使われるべきだと」(沖田)