――クリエイティブを学び取れ! 気鋭のDTM女子による音楽道場破り
(写真/宇佐美 亮)
[今月のゲスト]
DJ HASEBE
DJ/サウンド・プロデューサー。1990年よりDJとして活動をスタート。1998年にSugar Soul & Zeebra「今すぐ欲しい」を収録したミニアルバム『adore』をリリースし、その名を世に広める。新曲「Salt feat. 磯野くん」配信中。
X〈@djhasebe〉
Instagram〈@oldnick〉
私の連載は2021年3月、コロナ禍にスタートしました。収録はマスクを着用し、撮影のときだけマスクを外す。アメリカンドッグを武器にしたり、ヌンチャクを振り回してみたり、段ボールに詰められたり……思い返せばいろんな撮影をしてきましたが、みなさんのおかげで私、AmamiyaMaakoは立派に成長できている……はず! そんな成長を証明すべく、記念すべき連載第1回に登場してくださったDJ HASEBEさんに、再びお越しいただきました。なぜなら……私の新曲「バズりたガール」をリミックスしていただいたから!! この連載がきっかけとなり生まれた“バズりたリミックスガール”誕生秘話なども含め、いろいろ聞いちゃいます!
AmamiyaMaako(以下、M) お久しぶりです! また来ていただいて感謝です。しかも、この連載が縁となってリミックスまでやっていただきまして、本当にありがとうございます! 最近は個人的にバンドサウンド・ブームというのが到来していまして、「バズりたガール」はピアノロック調に仕上げたんですが、ハセベさんはどんなイメージでリミックスされましたか?
DJ HASEBE(以下、H) BPMが160くらいだったんで、最初はファレル・ウィリアムス「Happy」やジャングル・ブラザーズ「V.I.P.」、アウトキャスト「Hey Ya!」みたいなものを考えたんだけど、せっかく僕に依頼が来たので真逆の作品を作ろうかなと。曲を聴いたときに切なさがパッと浮かんだので、ユルめのエモさを重視した形のリミックスを制作しました。
M 私の楽曲でリミックスをお願いすること自体が初めてだったので、本当ワクワクとドキドキだったんですけど、トラックはどのように作られていったんですか?
H 70~80年代のファンクやソウル、ロックのレコードからキックとスネア、ハットをサンプリングして、それをバラしてエディット。基本、自分が制作するときはサンプリングの要素は残しておきたいんでね。もともとがピアノロック・テイストの楽曲だったけど、それを近年のローファイ・ビーツなグルーヴ感とR&B特有のいなたさを合わせつつ、ボーカルにタイムストレッチをかけた感じかな。
M ラップのパートはいじりましたか? 自分で言うのもなんなんですけど、オリジナルよりラップが上手に聴こえまして(笑)。
H いや、ラップ自体はいじってないよ(笑)。歌のテンポを最初BPM 79で作ってたんだけど、DJでプレイするときにはちょっとユルすぎるかなということで85まで上げて、全体的にちょっとレイドバックさせた感じ。
M 面白い! そんなふうにリミックスって作っていくんですね。
H かつ、最近のSpotifyとかのプレイリストに入りやすくなるような感じで作りました。
M 改めまして、本当にありがとうございます。で、今だからお話しするんですが、実はこの連載で一番最初にハセベさんに来ていただいたとき、緊張で話したいこともほとんど話せてなくて……ハセベさんがOLD NICK名義でリリースした「TAHITI 80」がすごく大好きなんです! ってことを、ようやく伝えられました(笑)。
H そうなの?(笑) 取材前に言ってくれたらアナログ持ってきたのに。
M 最近アナログを集めてるから言えばよかった!(笑)
H いま日本ではめちゃくちゃアナログ売れてるもんね。90年代後半~2000年代前半もめちゃくちゃアナログ売れたもんね。