――三軒茶屋の雑居ビルにあるヨコザワ・プロダクションのスタジオで起きる怪現象……。科学VS心霊の検証バトルの行方は。
(写真/淵上裕太)
昨年3月に上映され、物議を醸した心霊ドキュメンタリーの続編が6月21日に公開となった。数々の問題作を世に送り出した映画宣伝プロデューサー・叶井俊太郎氏の最後のプロデュース作品である映画『新・三茶のポルターガイスト』だ。
何もない空間から突然現れる白い手、鏡から噴き出す水、照明の明滅など、ヨコザワ・プロダクションでは多くの不可思議な現象が発生し、オカルト界でも屈指の有名心霊スポットになった。
今作では、オカルト編集者の角由紀子氏や「ムー」の三上丈晴編集長らが現地に潜入し、専門家による科学的な視点も含めて心霊現象の真偽を検証。ナレーションは、東出昌大が担当している。
監督を務めるのは、2003年に『怪談新耳袋』で監督デビューし、2020年にドキュメンタリー映画『三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実』で大きな反響を呼んだ豊島圭介氏だ。
「見ちゃったわけですよ。床から白い手が突き出てくるのを。不思議なことが起きているのは本当だろうと思ってはいたんですけど、現象を信じるのと、現象を目の当たりにすることの間には大きな差があって、異世界に足を踏み入れてしまった気がしました」
心霊現象にはどうしても「ヤラセ説」がつきまとう。豊島監督は中立的な立場で作品を撮ろうとしたが、どうしても演出とは思えない現象に出くわしてしまったという。
「僕たちが目にした『白い手』は、現象があった直後に床を調べてもカーペットに切れ目がなかったので仕掛けがわからない。ラスベガスのイリュージョンのような大仕掛けがあれば可能かもしれませんが、自分の目で見た限り、疑いようのない超常現象だと感じました」