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町山智浩の「映画がわかるアメリカがわかる」第174回

【アイアンクロー】“アイアンクロー”で一世を風靡したプロレスラーの呪い

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――雲に隠れた岩山のように、正面からでは見えてこない。でも映画のスクリーンを通してズイズイッと見えてくる、超大国の真の姿をお届け。


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『アイアンクロー』

強い圧力、巨大な手でこめかみを握る必殺技・アイアンクロー(鉄の爪)で世界中のプロレスファンを虜にしたフリッツ・フォン・エリック。彼には6人の息子がいたが、多くが不幸な結末を迎える……。

監督:ショーン・ダーキン、出演:ザック・エフロン、ジェレミー・アレン・ホワイトほか。4月5日全国公開予定。


『アイアンクロー』、鉄の爪、それは1940年代から60年代にかけて活躍したアメリカのプロレスラー、フリッツ・フォン・エリックの必殺技の名前。身長195センチの巨魁エリックが電話帳を引き裂く握力で、相手レスラーの顔をわしづかみにして、こめかみを締め付けてギブアップさせる恐ろしい技だった。

しかし、それよりずっと恐ろしいのが「エリック家の呪い」だ。フリッツの長男ジャックは6歳の頃、切れた電線に触れて死亡したが、それ以来、6人兄弟のうち5人が若くして悲惨な死を遂げている。人はそれを「エリック家の呪い」と呼んだ。

映画『アイアンクロー』は、その呪いの正体を解明する。

毒親だ。

フリッツは息子たちをレスラーにしようとした。朝から晩までトレーニングした結果、次男ケビン以下、5人ともプロレスラーになった。それ以外の選択肢はなかった。三男ケリーは陸上でオリンピック、五男マイクはミュージシャンを目指したこともあったが、プロレスから逃げられなかった。なによりも息子たちは、父に愛されたかったから。

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