――人類とは旅する動物である――あの著名人を生み出したファミリーツリーの紆余曲折、ホモ・サピエンスのクレイジージャーニーを追う!
ジェイソン・モモア
(絵/濱口健)レニー・クラヴィッツの元妻リサ・ボネイと05年から交際、子どもが2人生まれた後の17年に結婚するも、22年に別居宣言。ヘヴィメタル好きでオジー・オズボーンと共演あり。自身もギターやベースを弾くが、ウクレレも忘れない。
ボブ・サップと電話で話したことがある。天然チョップド&スクリュードのような低い声を電話で聞き取るのは大変だったが、「俺の映画『コナン・ザ・バーバリアン』が好きなんだって?」と問われたのはわかった。「俺の映画」という言い方は英語らしい表現と受け止めよう。しかし、11年の映画『コナン・ザ・バーバリアン』を見た私の目当ては、敵の将軍を演じるボブ・サップではなかった。わたしはそもそも、ロバート・E・ハワードの原作小説の愛読者であり、なおかつ、80年代の『コナン・ザ・グレート』でアーノルド・シュワルツェネッガーが演じた主役を、今回はハワイ系のハンサムが演じているという展開に惹かれていたのだ。今回は、そのハワイ系ハンサムの話をしよう。
ジェイソン・モモアこと、Joseph Jason Namakaeha Momoaは、79年ハワイ州ホノルル生まれ。父はハワイ先住民。母はドイツ系とアイルランド系、そしてポーニー(ネイティブアメリカン)の血を引く人だ。ジェイソンが生まれて間もなく、両親は離婚。母は幼い彼を連れてアイオワ州に移り、ジェイソンは高校卒業まで北米大陸の内陸部で過ごすこととなる。
転機となったのは、故郷のホノルルへと戻ったこと。エンセン井上や櫻井よしこ、さらにバラク・オバマ・シニアをも輩出したハワイ大学に入学するためだった。学生時代の19歳にしてモデルを始めた彼は、99年にテレビシリーズ『Baywatch Hawaii』のメインキャスト、ライフガード隊員の〈Jason Ioane〉役で俳優デビュー。続けて04年からは、やはりテレビシリーズ『ノース・ショア』でもメインキャストのひとりとして活躍。この時点で「ハワイ! 海! ジェイソン・モモア!」という公式が成立していた感もある。もっとも、映画への初出演はセドリック・ジ・エンターテイナー&ヴァネッサ・ウィリアムス&バウ・ワウ&ソランジュが主演の黒人家族コメディ映画『ジョンソン一家のババババケーション』のハンサム脇役「ナヴァロ」だったが。