日本でも医療用大麻解禁の動きが見られる中、人気タレントの逮捕がたびたび世間の注目を集める芸能界へは現在どのような取り組みをしているのか? 現場で働く関係者の声に耳を傾けてみたい――。
[座談会参加者]
A… スポーツ紙芸能担当デスク
B… レコード会社ベテランスタッフ
C… 芸能事務所マネージャー
『ホーリープラント―聖なる暮らし』(明窓出版 /益戸育江)
A 今回は大麻特集っていうことで呼ばれたワケだけど、トピックスは医療用。で、我々エンタメ業界で働く身として、医療用大麻解禁で思い出されるのは元女優の高樹沙耶(=益戸育江)が出馬した16年夏の参議院議員選挙だ。
B 高樹は「医療用大麻の解禁」を訴えて新党改革から東京選挙区で出馬するも結果は落選、その後10月に大麻取締法違反容疑でお縄というオチもついた。捜査により選挙期間中も大麻を吸引していたことが発覚したという。
C 彼女は出馬前から石垣島に移住し、ブログで大麻の素晴らしさや効能をアピールしていたからね。19年に元KAT-TUNの田口淳之介と交際相手の小嶺麗奈が大麻の所持容疑で逮捕された時もSNSで人権侵害だと騒いだことも話題になったよ。
A まあでも、そんな彼女の公約がついに実現に向けて進んだわけだから感慨深いものがあるんじゃないかな。
C 「世界基準に合わせるべき」という高樹女史の主張もあながち間違いではなくて、海外では娯楽としての大麻使用が解禁されている国や地域は増えているからね。
B 知人が先日、大麻が解禁されたばかりのタイに行ったそうだけど、とにかくすごかったとか。白人なんかが街中でパイプ持って歩きタバコ感覚で吸うらしい。そこに目をつけた日本人の好事家が現地で栽培し、日本人観光客相手に商売しているって。
A 日本からは飛行機で6時間ほどだし、格好のプレイスポットになりそうだけど、いくら近場の国で大麻が解禁されたといっても芸能人が大っぴらに吸うのは、さすがにイメージが良くない。多くの芸能プロでは解禁されたからと言っても現地で吸うのはNGと厳しく通達している。
B 大麻吸引の現場を週刊誌やSNSに載せられでもしたらタレントイメージ失墜は必至。合法か非合法かの問題じゃない。清純派アイドルが喫煙や泥酔現場をキャッチされるのを避けるのと同じだよ。実際、そういった写真が週刊誌の誌面を賑わせることもあるし。
A でも、どんなに売れっ子になっても違法薬物に手を出すヤツは後を絶たないよね。それにこうして芸能関係者とマスコミが集まると、よくクスリ絡みの話にはなる。ガーシーなんかで顕著になったけど、ちょっとした不良なんかとお互い付き合いがあると、「アイツとアイツは引いている(供給ルートの売人)のが一緒だから」とか。
C 週刊誌なんかに載ってる○○ルートもあながち間違いではないんじゃないかって思うよ。実際、芸能プロの中には「おたくの××さんのところに内偵入りましたよ」なんて情報が記者から来て、噂がネットなんかで一気に広がることもあるとか。もちろんほとんどはガセだけどね。