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A-THUG特別インタビュー【前編】

A-THUGとDJ MUNARIの邂逅から YouTubeのバズまでの裏側

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DJ MUNARIとの最初の出会い

――そして、シェルターでの生活を経てMUNARIさんのYouTubeチャンネルに登場することになりましたが、それはどういう流れで?

A MUNARI君とは、あのYouTubeをやる前から音楽のつながりがあって。昔、NYに来たときにリンクして曲を作ったりして、結構前から知り合いなんだよ。で、NYでもMUNARI君のことを知ってる人は多くて、日本人たちはもちろん知ってるし、ブラックピープルとかも知ってたりする。「Tokyo Meets Brooklyn」っていうYouTubeチャンネルをやってるからね。こっちではみんな普通にYouTube見てるんだけど、家族系の面白いチャンネルってことで有名でさ。

――人気チャンネルですよね。

A そうそう。でも、MUNARI君って家庭だけじゃなくて、音楽とかストリートの顔もある。実際、知り合いにラッパーもいるし、ストリートの活動もしてて、「俺、本当はそういう面もあるんだよね」って言ってたんだよね。そこで、あのYouTubeが始まったわけ。そうしたら、ドッカンドッカンいった! まあ、見てる8、9割は日本のオーディエンスなんだけど、英語のサブタイトル(字幕)を付けたりしたから、アメリカ、メキシコ、韓国……とか全体の10%くらいはインターナショナルみたいで、僕はやりがいがあるですよ!

――あのチャンネルでA-THUGさんのシリーズが始まり、日本では瞬く間に多くのヘッズの注目を集めた感があります。

A Thanks men! 日本のみなさん、愛してします!

――ただ、昔からA-THUGさんとMUNARIさんの音楽をずっと聴いてきたヘッズはお2人の関係をある程度把握しているでしょうけど、若い視聴者はあまり知らなかったりするかもしれません。そこで改めて聞きたいのですが、最初にMUNARIさんと出会ったのはいつ頃ですか?

A えっと、自分がSCARSのアルバム(『THE ALBUM』2006年)を出す前かな? 出した後かな? 2006、7年くらいだと思う。じゃあ、それから15年は経ってるのか。長い付き合いだねぇ。

――お2人の出会いを振り返る動画もありましたが、そこでA-THUGさんが名前を挙げていた「フジオカ君」とは?

A 藤岡君(G.O.K)は昔、渋谷で〈HIDE OUT〉っていう洋服屋をやっていた人で、ヒップホップが好きでさ。自分の友達もNYのカルチャーとかヒップホップとかモロ好きで、近くで〈Baby Blue〉っていう洋服屋をやっててね。その頃の渋谷は〈GROWAROUND〉とか〈BOOT STREET〉とかもあって、NYのカルチャーがごった返してたんだよ。で、藤岡君は毎月のようにNYに洋服の買い付けに行ってて、MUNARI君とはすでに友達だった。俺も、刑務所にいなかったり、調子が良かったりするときはNYによく行ってたから、藤岡君と合流することもあって、その流れでMUNARI君と知り合ったというか。

ただ、俺はもともとNYで日本人の友達なんて別にいらないって思ってて。現地で仲良くなったヤツが何人かいたんで。でも、MUNARI君と会ってみたら、下克上NYCっていう日本人のスクワッドを持ってて、結構悪い系のハーレムのラッパーたちともつるんでたから、「あ、お互いヤベェじゃん」みたいになって。そこから音楽を一緒に作り出した感じ。

――そういう経緯だったんですね。MUNARIさんが2008年にリリースした『下克上THE ALBUM』にはA-THUGさんだけでなく、〈BOOT STREET〉をプロデュースしていたD.Oさんなども参加しています。

A D.O君、PIT-GOb君とかとNYで合流して、曲を作ったね。そんなDJ MUNARI『下克上THE ALBUM』は、よく考えたら超ドープだよ。

――当時、勢いのあった日本のラッパーたちはNYのカルチャーとの関係が濃く、現地に行って音楽を作る動きもあったということですよね。

A ウータン・クラン、モブ・ディープ、バスタ・ライムス、フージーズ、キャムロン、ナズ、ア・トライブ・コールド・クエスト、ビッグ・パン、ダス・エフェックス、ザ ・ロックス……そういうNYのラッパーたちの音楽はものすごいパワーがあって、全部チェックしてた。今でも俺からしたら神のような存在だし、こっちだと芸能人級。俺らの世代より先輩だけど、あの時代にNYで頑張ってた人たちのDNAをいただいているから、そのパワーが俺にはある。

――そうしたことを踏まえてA-THUGさんの動画や曲に触れると、また深みは増すかもしれませんね。ここで話を戻すと、YouTubeが評判になるのと並行してEPを制作る動きになっていきました。それは、どういう経緯だったんですか?

A NYに来てからMUNARI君とYouTubeやる前も、曲は出していたんだよ。簡単な単語を使ってるんだけど、英語がメインの曲とかね。それも結構ドープだからcheck it out!

ただ、やっぱりMUNARIさんとつるんでやったほうがパワーになるというか。1本の矢より2本の矢のほうが強いじゃん。2人の良いところを合わせてね。あと、YouTubeの動画があって、同時進行で曲を作るから、俺もしっかりやらなきゃって。あんまり放置できない、責任感みたいなのが生まれてきた。

後編につづく

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