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令和の世にもはこびる「村八分」を読みとく格好のテキスト

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「『村八分』というのは、決して『過去』の問題ではない。また、『村八分』が、ムラ(村落共同体)以外の空間でも起こりうる問題だからである」

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村八分(礫川全次/河出書房新社)

本書の冒頭で、著者である在野史家の礫川全次は、なぜ「村八分」という問題を取り上げるのか、その理由をこのように書く。本のタイトルは、そのものずばり『村八分』(河出書房新社)。

著者いわく、「村八分」とは、「日本の風土、日本人のメンタリティ、日本における近代化の過程、日本の権力構造などと関わる重大な問題である」というのである。

確かに、日本人は同調圧力が強く、集団の中で異質なものの存在を認めず、異質なものを排除する国民性があると言われる。それは江戸や明治の昔ではなく、令和の現在にいたるまでそうだ。そんな日本人の特性がまざまざと表れたのが、ここ2、3年のコロナ禍だった。厚生労働省が屋外ではマスク不要とすでにアナウンスしているのに、大部分の人がいまでも街でマスクをしているのだって、そんな日本人の国民性と関係があるのではないだろうか。

本書によると、村八分とは、交際において、冠婚葬のほかに、建築、火事、病気、水害、旅行、出産、追善の七つを加えて十となし、そのうち葬礼と火事を除く八分の交際を断たれることを言うのだとか。

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