――人気YouTuberのはじめしゃちょーが「もうサウナに行くのをやめます。もうムリムリ、アホらしい」と、マナーを守らぬ利用者に対する苦言がヤフトピに挙がるなど、ますます過熱する昨今のサウナブーム。マナー違反はともかく、コロナ禍を経て成長したブームにおいて、現在ではどんな行為が悪と見なされているのか?
今回はグラビアではなく「サウナ悪調査員」として奔走してくれた奈良岡にこちゃん。「新しくオープンしたサウナ施設がインフルエンサーを駆使してPRしまくってるのを見ちゃうと、逆に信憑性を疑っちゃう!」と警鐘を鳴らしました。
世間一般的に令和4年現在のサウナブームは“第三次”らしい。ちょうど2年前、本誌の公式サイト「サイゾーpremium」にて〈「聖地巡礼」で新旧ファンが対立!? 空前の“サウナブーム”による功罪〉という記事を掲載したときは、「新旧」と見出しに記した通り、おじさんと若者の相容れない価値観が諍いを生んだ時期だった。以降、テレビや雑誌で大々的に特集され、数多くの芸能人やグラドルたちが「実は私もサウナーでした!」と、各所で喧伝しているのは周知の通り。そんなピースフルにサウナが紹介されている世の中ではあるが、実はこの第三次サウナブーム、これまで以上の諍いが起きているらしい。果たして、令和4年におけるサウナの現場では、どのような行為が“悪”とされているのか? 店舗側のリアルな本音と利用者に耳を傾けてみた。そして、本誌ではおなじみのYouTuberで、この数年は魅惑の女子サウナーとして活躍する奈良岡にこちゃんに、特別調査員としても動いてもらった。
まず、ブームの過熱によって新たに“にわかプロサウナー”になった若者たちに困っていると話すのは、都心部のサウナ施設経営者で店長のA氏だ。
「若い利用者さんが増えること自体は何も問題ないのですが、ひとりで利用されるのではなく、2~4人の複数人でいらっしゃることが多い。そこで浴室やサウナ室に入っても単体で行動されないので、その団体行動への苦情が日々入ります。ただ、コロナ禍以降は黙浴をお願いしていまして、団体で行動されていても大声で会話しているわけではないと思いますので、『団体行動=悪』と決めつけることも、ちょっとどうかなと思う気持ちもあるんですよね」
そうした複雑な思いを理解できると話すのは、台東区の老舗「サウナホテルニュー大泉」の温浴事業部長を務める藤巻強氏。
「お客さん同士の言い争いは増えたように感じます。例えば、『浴槽の中で体を洗っている』『泥酔している』『刺青を入れている客』といった苦情であれば店側で注意できますが、『話し声が大きい』『かけ水をせず水風呂に入った』などと言われた場合、その現場を見たわけではないので、どの程度のレベルなのか判断に困るんです」
こうした事例は男性客だけに限らず、昨今のブームで急増した女性客にも当てはまると鼻息を荒くするのは奈良岡調査員だ。
「マナーを守るのは当然ですが、私自身が感じているのは、『サウナって素晴らしい!』ではなく、『サウナに通っている私が素敵!』と、本質を取り違えている女性客が多いこと。『サウナイキタイ』というサウナーたちのポータルサイトがあり、そこでは日々のサ活(サウナ活動)があげられているのですが、そんな投稿の多さに疲弊……と、私もそう思われてる部類かもしれませんが……(笑)」