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町山智浩の「映画がわかるアメリカがわかる」第163回

『17 BLOCKS/家族の風景』ワシントンD.C.の片隅に暮らす一家の苦難、そして希望

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――雲に隠れた岩山のように、正面からでは見えてこない。でも映画のスクリーンを通してズイズイッと見えてくる、超大国の真の姿をお届け。


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『17 BLOCKS/家族の風景』

アメリカの首都、ワシントンDCの中心部から約3キロ離れた場所に暮らす一家の20年間を追ったドキュメンタリー。1999年、この街に引っ越してきた若き映像作家で同作の監督は、ある日、ひとりの少年に出会い、ビデオカメラを渡した。やがて彼は家族の日常を撮影する。それから10年後、予期せぬ悲劇が一家を襲う……。

監督:デイビー・ロスバート、製作:アレックス・タートルトーブほか。「APARTMENT by Bunkamura LE CINEMA」で配信上映中。


『17BLOCKS/家族の風景』は、アメリカの政治の中心である連邦議会議事堂からわずか17ブロック(約3キロ)離れた貧困地域に住む、サンフォード一家というアフリカ系母子家庭を20年撮り続けたドキュメンタリー。

1999年、 『17 BLOCKS』の監督デイビー・ロスバートは、バスケットコートで9歳の可愛い男の子エマニュエル・サンフォードと出会い、彼の家族を撮影し始める。多くのシーンはロスバートがサンフォード一家に預けたビデオカメラで撮影されているので、他人には見せないような生々しい現実が記録されている。

エマニュエルの母シェリルはかつて成績優秀で美しい少女だったが、16歳で長男スマーフを生み、シングルマザーとして3人の子どもを育てるが、クラック・コカインの依存症になり、ドラッグ代のために十字架を質に入れたり、車でドラッグを買いに行ったり、自分を更生させようとする恋人にナイフを突きつけて叫んだりする。その現場が家族によって撮影されている。

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