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第1特集
大麻産業とSDGsの“密”な関係【2】

“ヘンプクリート”は建築に活用できる!大麻政策のための2030アジェンダ

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FAAATが作成・公表した「持続可能な大麻政策のためのツールキット」。〈www.cannabis2030.org〉よりPDFをダウンロード可能だ。ただし、SDGsの目標6「安全な水とトイレ」と目標14「海の豊かさ」に関連する目標・提言はナシ。

――SDGsと密接に関連する仏シンクタンク「FAAAT」の報告書。そこに記されている各目標をかいつまんで整理してみた。

【1】合法市場が貧困を救う
大麻の不正取引では利益は犯罪組織に流れ、主な生産者である発展途上国の小規模農家は搾取。彼らや地域の取引業者に利益が還元される公平な合法市場を作り、生産者参入の支援が急務。大麻撲滅政策は生産者をさらなる貧困に追いやることになる。

【2】食糧不足を改善する
大麻は栄養価の高い機能的な食材である。THCを含まないヘンプシード(種)は幅広い加工が可能なので、貧困地域で栽培から加工まで行えば、安定的に供給できる食糧となる。また、栽培地域の固有種や各地に根づいた栽培の知識を守ることも重要だ。

【3】オピオイド系の代替に
大麻は依存のリスクが低く、さまざまな治療薬としての効果が実証されている。精神作用のないものはタバコの代替品や健康食品として普及しつつあり、依存性の高いオピオイド系鎮痛剤やベンゾジアゼピン系抗不安薬の代替品としても注目されている。

【4】正しい知識を学ぶ
教育機関を巻き込んで、エビデンスに基づいた大麻の正しい効能とリスクを学ぶ場を作ることで、大麻を使うかどうかを個々人が正しく選択できる社会を目指す。合法大麻産業従事者のために植物学や食品衛生などの教育プログラムを設ける必要もある。

【5】非犯罪化で女性を守る
女性が薬物使用で有罪となると、子どもの監護権の剥奪など影響は大きい。こうした不平等な扱いから女性を守るには、軽度で暴力を伴わない大麻関連の犯罪を非犯罪化すべき。また、大麻のヘルスケア政策はあらゆる女性を想定して協議する必要がある。

【7】再生可能エネルギーに
電力の供給源・貯蔵庫として大麻の研究・市場開発を進めるべき。事実、バイオマス燃料や優れたバッテリーとしての活用に期待が集まっている。また、現在は屋内での人工栽培が主流だが、二酸化炭素の排出量が少ない屋外栽培への移行を促すべきだ。

【8】適正な課税と雇用創出
違法大麻ビジネスは強制労働・人身売買が横行しており、禁止すべき。政府は、こうした事業者や労働者の合法市場への移行を支援する必要があり、適正な課税も重要。また、大麻の栽培・製造・取引は雇用機会の少ない郊外や農村部にも適している。

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