――昨年、大手アダルト動画サイトPornhubは大量の動画を削除したことで、終わったサイトと思われた。ところが今年に入ってから、同サイトに異変が起きている。市販のAVの違法アップロードではない、素人による動画の投稿が急増しているのだ。それも、日本人のセックス動画である。
●素人ならではの強み
素人ゆえに顔を隠している配信者がほとんどだが、そんな“素人感”が人気を集めている。(絵/藤本康生)
裸一貫でスタートした素人が、動画投稿を通じて有名になり、大金を稼ぎ出す……。今や、職業のひとつとしてすっかり認知されているYouTuberは、そんな夢のあるビジネスモデルを確立させてきた。だが最近、アダルト業界でも同様の動きが起こりつつある。
例えば「XVideos」や「Pornhub」といった大手のアダルト動画サイトは、YouTubeと同様にコンテンツ収益化プログラムを導入しており、動画の再生回数に応じた報酬をコンテンツ作成者に支払っている。そのほかにも、素人が自家製のアダルト動画を販売できる「FC2動画アダルト」のようなサイトや、エロに特化したサブスクリプションサービスなども存在し、文字通り“裸一貫”で稼ごうとする素人たちが、アダルト業界になだれ込んできているのだ。
中でも、Pornhubで活動する配信者たちはYouTuberのように「Pornhuber(ポルノハバー)」と呼ばれ、急速に知名度を上げてきている。5月にABEMAの『給与明細』という番組がPornhuberを取り上げた際、出演したカップルが月収にして約400万円以上も稼いでいることが話題となり、彼らに続けと新規参入者が相次いでいる状態だ。
本稿では、複数の現役Pornhuberたちと接触し、活動を始めたきっかけや収益化の仕組み、アダルト動画サイトを取り巻く現状や、そもそも素人によるアダルト動画の配信は法的にセーフなのか、それともアウトなのかといった点についても明らかにしていく。