サイゾーpremium  > 特集  > 本・マンガ  > 「最低限のエロさえあれば何をやってもいい」エロ本衰退史【2】
第1特集
エロ本衰退史【2】

編集者やライターが語った エロ本業界の歴史がわかる参考文献5冊

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『全裸監督 村西とおる伝』
本橋信宏/太田出版/16年

Netflixで大ヒットした昭和エロ一代記の原作となった評伝本。ビニ本制作からアダルトビデオ監督へ転じた村西の軌跡はそのまま、エロ本創成期の伝説であり、エロ本とAVは兄弟のようなものだった。逆に言えば、目端の利く山師たちは映像でバブルへ向かい、エロ本は零細のままサブカルの海でまどろんでいたのだが。なお、村西の側近だった自身の自伝という形で描いた『裏本時代』『AV時代』『新・AV時代』の三部作もある。


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『裸の巨人 宇宙企画とデラべっぴんを創った男 山崎紀雄』
阿久真子/双葉社/17年

『全裸監督』は1970〜80年代前半のエロ本とAVの基礎文献だったが、宇宙企画と英知出版の興亡記である本書は80年代後半〜90年代の貴重な文献。サブカル性感度の高さで勝負した白夜書房に対し、若者にエロをどう見せるかという美意識にこだわった英知出版。その両軸がエロ本の文化的進化を促した過程がよくわかる。巻末に収録された山崎と末井昭(元・白夜書房社長)、中沢慎一(コアマガジン社長)の座談会も貴重。


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