戦前の1937年に開園し、名古屋市民に親しまれてきた東山動植物園は市営。公式サイトより。
C こうして振り返ってみると、校舎建て替え反対運動が彼の政治運動のルーツになっているところもあるだろうね。河村が民主党公認で出馬し、衆院選3選したのが2000年。『ビートたけしのTVタックル』(テレビ朝日系)とかメディアに出始めて、「総理をねらう52歳」としてお茶の間の知名度が上がったのもその頃。注目を浴びるパフォーマンスに味を占めたのかねぇ。
B しかし、なぜ河村が市長に再選し続けているのかわからない。名古屋に住んでいる2人に聞きたいけど、ほかにいないわけ?
D そうだねぇ、ほかにおらんのは確かかも。トヨタとかのパワーが強い名古屋はもともと製造業の街だから、労働組合が支持しとる民主党が強いというのもあるし。
A 河村は、選挙の技が鍛えられとる気はするね。選挙カーに乗らずに、街中を自転車で走って庶民派をアピールしてきた。選挙運動期間外は名前入りののぼりやタスキを使って演説したら違反になるので、「本人」と書いたものを使う。諸説あるけど、それを全国で最初にやったのが2009年の名古屋市長選時の河村だともいわれとる。
D 公約に「日本一安い給与の市長」を掲げ、「市民並み」の800万円を基準にしとるんだよね。市長になってからの2011年には市議報酬も1600万円から800万円に減額した。まあ、それは2016年に1455万円に引き上げられたけど。
N 既得権益を壊すことをアピールして庶民の票を集めるのは、いわゆるポピュリズムの常套手段だよね。
D とにかく、そういうパフォーマンスで「愛されキャラ」を作り上げていった。実績はよくわからんくても、高齢者は「庶民派」「市民目線」という言葉が大好きだから。
A ちなみに、遊園地もあって、名古屋のファミリー層やカップルが遊びに行く東山動物園(正式名称は東山動植物園)ってあるでしょ。あそこを視察した河村の「ビールはねぇのか」という一言で、子どもの教育上の配慮から自粛してきたビールの販売が2009年にOKになったんだよ。たまに息子を連れて行くけど、酒好きの俺としては、それだけは評価したい(笑)。
B 自称「気さくな72歳」だもんね。でも、金メダルかじり騒動で恥をさらして、そのキャラももう終わりだと思う。
C 旭丘高校の卒業生ってもっと立派な人がたくさんいるのに、河村ばっかり目立ってホント恥ずかしいよ!
(構成/安楽由紀子)