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町山智浩の「映画がわかるアメリカがわかる」第158回

『イン・ザ・ハイツ』NYの高級化に巻き込まれる移民たちの希望

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『イン・ザ・ハイツ』


大ヒットミュージカル『ハミルトン』のリン=マニュエル・ミランダが若き日に制作した作品。ニューヨークの片隅で暮らす、移民たちの悲哀と希望を『クレイジー・リッチ!』の監督が描く。

監督:ジョン・M・チュウ、出演:アンソニー・ラモス、コーリー・ホーキンズ、レスリー・グレイスほか。7月30日全国公開。


『イン・ザ・ハイツ』はトニー賞を受賞したブロードウェイ・ミュージカルの映画化。アメリカで大ヒットしたミュージカル『ハミルトン』の脚本、作詞、作曲、主演をこなした天才リン=マニュエル・ミランダ25歳の時の作品。彼が生まれ育ったワシントン・ハイツ(マンハッタン島の西の北端)のバリオ(中南米系移民街)の日常を描いている。

ラテン系の人々の現実を最初に描いたミュージカルは1957年初演、61年に映画化された『ウエスト・サイド物語』だった。マンハッタン南西部のヘルズ・キッチンに住むプエルトリコ系の若者とポーランド系の不良グループとの抗争を描き、センセーションを起こした。彼らはそれまで舞台劇や映画には出てこない人々だったからだ。

それから60年。何が変わり、何が変わってないのか。

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