――21世紀型盆踊り・マツリの現在をあらゆる角度から紐解く!
「完全屋外開催!」を謳い、8月14〜15日の2日間にわたり開催を決定した「中野駅前大盆踊り大会」。今年も“盆ジョヴィ”旋風は巻き起こるか。写真は19年開催時の様子。
(写真/大石慶子)
この原稿をまとめる6月下旬、東京五輪の開会まで1カ月を切った。「いよいよ」というかなんというか、ここまでくると新型コロナウイルスの感染拡大のないまま、無事に開催されることだけを祈っている人も少なくないだろう。
当連載でも五輪に向けた日本各地の盆踊りや祭りの動きを取り上げてきたが、都内の盆踊り・祭り団体の中には、五輪に振り回されてきたところも多い。五輪会場に近い地域では、早い段階で盆踊りの開催を断念せざるを得なかったところもあったと聞く。そこにコロナという予想だにしなかった混乱まで持ち込まれたことで、都心ではどの町内会や自治会、商店街も盆踊りどころではないというのが正直な気持ちだろう。
「ひょっとしたら開催できるんじゃないか?」と中止・延期をギリギリまで表明せずに引っ張っていた盆踊り団体も、6月に入ると次々に中止を発表。その中でも盆踊り愛好家たちからひときわ大きな落胆の声が上がったのが、日本三大盆踊りのひとつに数えられる郡上おどり(岐阜県郡上市八幡町)が、昨年に続いて開催断念を発表したことだった。