――『ボヘミアン・ラプソディ』の世界的ヒット以降、往年のミュージシャンたちの音楽伝記映画の制作・公開が予定されており、今後こうした映画がひとつのジャンルになると言われているほどだ。しかし、実在の人物の半生を扱うということで、その制作のハードルは高いようで……。
元メンバーの全面協力のおかげで、大ヒット作となった『ボヘミアン・ラプソディ』。(写真:Jun Sato/WireImage)
20世紀の音楽史にその名を残すロック・ミュージシャンたちが、映画業界から引っ張りだこになっている。クイーンのボーカリスト、フレディ・マーキュリーの人生を描いた『ボヘミアン・ラプソディ』が2018年にヒットしてからというものの、同種の“音楽伝記映画”が続々と制作・公開されるようになり、これらはひとつの映画のジャンルに成長した。
このような映画は往年のファンを取り込むことはもちろん、若い世代など新規の顧客にもアピールできるうえ、版権も動くことから、商業的な“鉱脈”であるとの見方も強い。本稿では、そんな音楽伝記映画の歴史を振り返ると共に、名作と失敗作の違いや、今後の展望などについて探っていく。