――ダンスフロアからの新たな刺客。DARUMAとJOMMYの画期的音楽探究。
(写真/西田周平)
今月は、先ごろアトランティック・ジャパンから移籍一発目となる新曲「Aquarius Heaven」を発表したばかりのラッパー、kZmが登場。旧知の仲であるダルジョミさんがいろいろとかわいがりを見せます。
DJ DARUMA(以下、D) メジャーデビュー、ってことになるの?
kZm(以下、k) 移籍であって、そんな意識ではないんですよね。今までの経験をもとに、個人でやるかどうするか考えてるときに声をかけてもらって。
D レーベルとの契約の決め手は?
k 結構な契約金を提示してもらい。
D そこだ(笑)。
k 目の前にチャンスが転がり込んできて、「やっとけばよかった!」と後悔するかもしれないなら、やるだけやって経験を積もうと思ってサインしました。
D YENTOWNとの関係性は?
k クルーとして在籍しながら、僕個人としては〈De-void*〉に所属、リリースはアトランティック、って感じです。
JOMMY(以下、J) どんな動きを予定しているの?
k 1st『DIMENSION』(18年)、2nd『DISTORTION』(20年)と続いているので、次が一応自分の中のオチがつけられるタイミング。今回はサウンドもだいぶ変わってると思います。
D MVにもお金をかけられるね。
k 確かに予算は増えました。ただ、宣伝バスを走らせても仕方ないんで、もっとクリエイティブな部分に使いたい。
J お、名言出たね。
――LDH(Love Drive Happiness)へのディスかもしれませんよ。
D バスはフレックスなんで(笑)。サウンドが変わってるって言ったけど、確かにkZmに限らず、最近の若いラッパーの音楽性は、どストレートなヒップホップから離れている印象は受けるよね。インディロックやハイパーポップ色が強まったというか。
k そうした若手にワクワクしてるんですよ。それに加えて舐達麻のような愚直なまでにストレートなヒップホップを掘り続けているラッパーもいる。そのバランスが保たれているから、僕らは外交に行けるんですよね。
J 実際、今はどんな感じのサウンドを好んで聴いてるの?
k 派手なシンセにレイヴィーな感じ。コロナでライブができなくなって、その時間をどう生かそうか考えたときに、ノリでクラブに遊びに行くんじゃなく、「自分が興味のあるパーティを探す作業」に重点を置いてみたんですよ。4つ打ちに興味があったけど、サブスクで聴いていただけじゃ現場のマナーもわからないじゃないですか。なので、そうしたパーティに足を運ぶことによって、音楽的に学ぶことがたくさんあった。もはやコロナはそのためにあったんじゃないかと思えるくらいの経験を積むことができました。