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澤田晃宏の「外国人まかせ」【1】

【澤田晃宏/外国人まかせ】コンビニ弁当を作る鳥栖のベトナム人とネパール人

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自転車にまたがり、工場に向かう外国人留学生。

 日本語力の低い留学生が就く「3大バイト」がある。ひとつ目は、コンビニ弁当などの食品製造工場。2つ目は、物流会社の仕分け。3つ目は、ビジネスホテルの清掃業務だ。

 ベトナム出身のチュオン・フュ・フックさん(20歳)は3月、北海道の日本語学校を卒業し、鳥栖市に引っ越した。保証人が不要なことから「外国人留学生御用達」となっている賃貸住宅「レオパレス」に友人と2人で住む。4月からは専門学校に進学する。

「北海道ではホテルの清掃のバイトをしていましたが、コロナの影響で仕事がなくなりました。鳥栖にはアルバイトがたくさんあると聞き、引っ越しすることを決めました」

 コロナ禍でフックさんが職を失ったように、留学生の世界にも異変が起きている。関東のある日本語学校に20年4月、アマゾンの倉庫から100人以上の求人がきた。仕事内容は郵便番号から荷物を振り分ける軽作業で、外国人留学生定番の仕事だ。

 人数規模が大きく、説明会の実施を提案したが、その日本語学校の幹部は「1週間もしないうちに求人がキャンセルになった」とし、こう愚痴た。

「突然のキャンセルは、コロナで職を失った日本人が増え、日本人の募集が増えたことが理由です。これまで求人を出しても人が集まらない仕事を外国人が支えてきたのに、日本人が来たらサヨウナラでは、あんまりです」

 都市部を中心に外国人が大半を占めた「コンビニ店員」も、日本人の姿が増えていることにお気づきだろうか。

 ただ、景気が良くなれば、彼らはまた別の仕事に移っていくだろう。

 だけど、心配はない。そのときはまた、外国人まかせにすればいい。

澤田晃宏(さわだ・あきひろ)
1981年、兵庫県神戸市出身。ジャーナリスト。進路多様校向け進路情報誌「高卒進路」(ハリアー研究所)編集長。高校中退後、建設現場作業員、アダルト誌編集者、「週刊SPA!」(扶桑社)編集者、「AERA」(朝日新聞出版)記者などを経てフリー。著書に『ルポ技能実習生』(ちくま新書)、『東京を捨てる コロナ移住のリアル』(中公新書ラクレ)がある。


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