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『クロサカタツヤのネオ・ビジネス・マイニング』第82回

【クロサカタツヤ×大泰司章】「PPAP」は百害あって一利なし!? 日本社会に意味不明な「メールしぐさ」が蔓延したワケ

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――昨年末に平井大臣から日立まで「PPAP止めます」と宣言したらアラ大騒ぎ。今頃ピコ太郎とは遅れてるね、と思いきや実はコレ大企業とかお役所のメールによくある、添付ファイルを暗号化して送るお作法のこと。セキュリティ専門家いわく情報漏えい対策として無意味らしいけど、何より受け取ってから暗号化を戻すのが面倒なのが嫌われるゆえん。はてさて、一体全体誰が始めたことなのか。

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●年齢階層別インターネット利用の目的・用途(複数回答)(2019年)
(出典)総務省「通信利用動向調査」より

クロサカ 2020年11月に平井卓也デジタル改革担当大臣が内閣府等での「PPAP」を禁止し、今年1月には日立が社内で禁止するとのニュースも流れました。この「PPAP」は、本家であるピコ太郎の歌のことではなくて、「Password付きZIPファイルを送ります、Passwordを送ります、Aん号化(暗号化)Protocol(プロトコル)」のことです。仕事で添付ファイルを受け取るとき、ファイルが暗号化されていて、そのパスワードだけが別のメールで送られてくることがありますよね。こうしたファイルの送り方のことを「PPAP」と名づけたのが、今月のゲストの大泰司さんです。

大泰司 私がメール送受信の「PPAP」を思いついたのは、ちょうど本家ピコ太郎の「PPAP」が流行った16年のことでした。以前から添付ファイル暗号化について「面倒くさいし、ちょっと問題だな」と思っていたときに「PPAP」を見て、「PPTP」や「PPP」といったインターネット関係の技術用語に似ているなと思ったんです。それで数分ほど考えて、こじつけたものです。英語ができないからこそ考えついたんだと思います。

クロサカ 今では検索すると、ピコ太郎の「PPAP」よりも大泰司さんの「PPAP」のほうが上に出てくるほどですよね。

大泰司 20年4月に独立して「PPAP総研」という会社を立ち上げたんですが、その直後からこんな大騒ぎになってしまった。実は内心では、本家から怒られないかとビクビクしています(笑)。

クロサカ でも、ピコ太郎も「PPAP禁止」に乗っかったコメントをツイッターに書いていましたよね。

大泰司 それを見て、たぶん見逃してくれているんだと思っています。でも、もともと私が「PPAP」を問題視したのはセキュリティについてではなくて、メールを受信する側に一方的な不便を強いているところなんです。例えば、大企業が取引先に対して一方的な契約や手続きを大量に押しつけることがあります。私も以前いた会社では営業をしており、大企業の購買部には大変お世話になっておりました。いろいろな意味で(笑)。「PPAP」もそうした企業間取引の問題のひとつだという認識でした。ところが、「PPAP」の話をしていくうちに、セキュリティ関係の方が「セキュリティ上も大問題」だと盛り上がってくれたんです。

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