サイゾーpremium  > 特集  > エンタメ  > 技術革新で変わる採取と新種の発見
第1特集
サイゾーPremium 特別企画「今こそ“昆虫”を考える」

世界的な“むし”の権威が語る!――技術革新で変わる採取と新種の発見

+お気に入りに追加

(構成/里中高志)

 昆虫好きなら誰もが知る昆虫専門誌、それが「月刊むし」(むし社)だ。

 1971年創刊の同誌は、論文中心の硬派な作りながら、日本中の昆虫マニアから絶大な支持を得てきた。社内には昆虫ショップも併設され、虫かごや昆虫図鑑、標本が所狭しと並ぶ。昆虫マニアにとってはまさに宝の山であり、日本中どころか、コロナ禍前は世界各国からも昆虫ファンが訪れていたという。

 そんなむし社の社長で、「月刊むし」の編集長が、藤田宏氏(67)。虫マニアでは知らない人のいない、虫界の巨人と言われている。

202009_gekkanmushi_01_520.jpg
「月刊むし」の藤田宏編集長。

 昆虫に囲まれたむし社の編集部で藤田宏編集長に、奥深い虫の世界についてインタビューを行った。

「『月刊むし』は、1971年に、4人の大学生によって創刊されました。当時はちょうど東大紛争の時代で、彼らは団塊の世代。ひとりは東大生、2人が都立大で、ひとりが立教でしたが、みんな虫が大好きで、この雑誌を創刊したんです。私はその頃高校生で、編集長と虫仲間になったことが縁で編集部に入りました。大学は文学部で虫と全然関係なかったんですけど、虫を採りに行くのに忙しくて中退しまして(笑)、本当は家業の着物屋を継ぐはずだったのですが、着物よりも虫が好きだったので、虫を仕事にすることになりました」

 藤田編集長の専門はカミキリムシとクワガタムシ。今は雑誌の編集は主に編集部員に任せ、月の半分は新しい図鑑を作る作業をしている。藤田編集長が発見した新種や新亜種の虫はなんと百数十にものぼるというまさに世界的な虫の大家である。

ログインして続きを読む
続きを読みたい方は...

Recommended by logly
サイゾープレミアム

2025年5月号

新・ニッポンの論点

新・ニッポンの論点
    • “分断の時代”に考える20年代の【共産主義と資本・自由主義】
    • 全国紙も報じた終末論【2025年7月人類滅亡説】のトリセツ
    • 世代を超えたカリスマ「SEEDA」の【アップデート&処世術】
    • 『GQuuuuuuX』で変わる!? ガンダムの【IPビジネス新戦略】
    • 教えて! 大﨑洋さん!! 逆風での船出「大阪万博」の愉しみ方
    • パレスチナのジェノサイドと【日本の難民問題】の深層にあるもの
    • さらば?芸能界のドン、【バーニング周防郁雄社長という聖域】
    • [週刊誌記者匿名座談会]憶測と中傷び交う中居・フジ問題の論点

NEWS SOURCE

インタビュー

連載

    • 【マルサの女】名取くるみ
    • 【笹 公人×江森康之】念力事報
    • 【ドクター苫米地】僕たちは洗脳されてるんですか?
    • 【丸屋九兵衛】バンギン・ホモ・サピエンス
    • 【井川意高】天上夜想曲
    • 【神保哲生×宮台真司】マル激 TALK ON DEMAND
    • 【萱野稔人】超・人間学
    • 【韮原祐介】匠たちの育成哲学
    • 【辛酸なめ子】佳子様偏愛採取録
    • 【AmamiyaMaako】スタジオはいります
    • 【Lee Seou】八面玲瓏として輝く物言う花
    • 【町山智浩】映画でわかるアメリカがわかる
    • 【雪村花鈴&山田かな】CYZOデジタル写真集シリーズ
    • 【花くまゆうさく】カストリ漫報
サイゾーパブリシティ