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THC入りのグミやチョコがヘルシーで大人気! コロナ禍のLAで“必要不可欠”な大麻フード

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 エディブルに話を戻すと、〈Cornerstone〉や〈HERB〉ではグミ、ミント類などが売れているとのことだったが、チョコレートは人気が安定しているという。

「ここ数カ月間だと、ブルーベリーがカンナビス入りのチョコレートでコーティングされた〈Kiva〉の『Blueberry Terra Bites』がトップセラー。1粒に5mgのTHCが含まれています」(エリカさん)

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『Blueberry Terra Bites』(Kiva)

 また、双方のディスペンサリーで不動の人気を誇るのが〈Kiva〉の「Dark Chocolate Bar」だ。

「ロングセラー商品ですね。チョコレートバー全体で100mgのTHCが含まれていて、5mgずつのピースに分けられるようになっています。自分が必要とする量のTHCを取り入れやすいので、過剰摂取の心配がありません」(ボビーさん)

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「Blackberry Dark Chocolate Bar」(Kiva)

 一方、人気急上昇中なのがドリンク。〈HERB〉のボビーさんのオススメは次のものである。

「〈Cann〉社のカンナビス入りドリンクは最近発売されたのですが、かなり売れていますね。原材料が高品質で、カクテルのような感覚で飲めます。パッケージが可愛いのもポイント。THCが2mg、CBDが4mgなので、マイルドなハイを感じられて、初心者でも楽しめます。個人的には、ブラッド・オレンジとカルダモン入りのフレーバーがお気に入りです」

 グレープフルーツ味のものを飲んでみると、炭酸とグレープフルーツ・ジュースの組み合わせが爽やかで、カンナビス特有の癖のあるフレーバーはまったく感じられなかった。そして、15分ほどたってから頭と体がリラックスし、ライトビールを飲んだような感覚になったが、原稿を書く上ではなんの支障もなかった。CBDの健康効果が得られるのもうれしい点だ。

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「Blood Orange Cardamom」(Cann)
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「Grapefruit Rosemary」(Cann)

 ところで、カリフォルニアは空前のスーパーフード(栄養価が非常に高く、健康に役立つとされる食品)ブームだ。エリカさんは女性ならではの視点でスーパーフードとカンナビスを組み合わせた商品を〈Cornerstone〉で扱っている。

「最近は抹茶がスーパーフードとして注目されていますが、ウチのサイトでは〈Nug〉というブランドの『Matcha CBD Chocolate 1:1』や、〈Kiva〉の抹茶入りミントキャンディ『Moroccan Mint Petra Mints』が人気。個人的には、ゴジベリー(クコの実)をカンナビス入りチョコレートでコーティングした〈Somatik〉の『Sparks Chocolate Goji Berries』が好きですね。とにかく、スーパーフードとカンナビスの組み合わせは健康に良いんです」

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『Matcha CBD Chocolate 1:1』(Nug)
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「Moroccan Mint Petra Mints」(Kiva)
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「Sparks Chocolate Goji Berries」(Somatik)

 以上のような商品たちが現在はヒットしているようだが、今後のエディブルの進化についてボビーさんはこう語った。

「ソフトジェル、タブレット、カプセル状の商品が増えていくと思います。また、ティンクチャーと呼ばれるカンナビスの成分を抽出した液体商品の人気もさらに上がっていくでしょう。これらの利点は、数滴の液体を口に入れたり、カプセルを飲み込むだけなので、サプリメントやビタミン剤みたいな感覚でカンナビスを摂取できること。チョコレートやブラウニーのようなエディブルには砂糖が入っていることがあり、それを嫌がる人もいるんですよね」

 日本の常識、モラル、法律からすると想像しづらいかもしれないが、ここLAをはじめカリフォルニアでは、多くの人にとって大麻エディブルは“必要不可欠”なものとして認められ、その市場はコロナ禍で縮小することはないのだ。

※日本において、大麻(大麻草の成熟した茎や種子、あるいはそれらの製品は除く)の栽培、所持、譲受・譲渡などは大麻取締法により禁止されており、THCは麻薬及び向精神薬取締法により麻薬に指定されています。一方、大麻草の種子や茎から抽出されたCBDは規制対象ではなく、すでにCBD製品は販売されています。なお、筆者は米国籍者であり、本記事は大麻やTHCの使用・摂取を推奨するものではなく、あくまで米国における状況のレポートです。

カナ夫(かなお)
東京出身、ロサンジェルス在住のフリーライターとカメラマン夫妻。音楽、アート、エンタテインメントの世界に長年かかわりながらも、これまで大麻は一度も吸ったことがなかったが、ストレスや腰痛などを改善するべく40代からカナビス(大麻)を健康目的で使用するようになる。現在、知人からもらったカナビスの苗を栽培中。


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