サイゾーpremium  > 特集  > 社会問題  > 種苗法改正に種子ビジネスを目論む経産官僚の罪

――今国会では審議入りできなかった種苗法改正だが、そもそもは2018年に行われた種子法の廃止に端を発する。反対の声が叫ばれているこの改正には、農家を守るべき農水省を飛び越えた、経産省と安倍政権の思惑が見え隠れするが……。

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写真/getty imagesより。

 東京・永田町の首相官邸に、国内産業を海外に売り渡しても意に介さない経済産業省出身の官僚たちがはびこっている。首相補佐官の今井尚哉氏を筆頭に、官邸の記者会見を取り仕切る内閣広報官の長谷川栄一氏、あるいは「アベノマスク」の発案者といわれる、首相秘書官で首相専属のスピーチライターを務める佐伯耕三氏あたりは、テレビでもお目にかかる面々だろう。大手紙の政治部記者が言う。

「彼らのようないわゆる“官邸官僚”が古巣の経産省幹部と通じてあらゆる経済政策を勝手に決め、他省庁の領域を踏み荒らしています。そのターゲットになった最たる分野といえば、なんといっても農業でしょう」

 政府は、農業に企業参入を促したり、環太平洋連携協定(TPP)による貿易自由化を推し進めたりするなど、日本の農業を深刻な国際競争にさらしてきた。より深刻なのは、年間1兆円に上る輸出産業の対象に押し上げたこと。“売れる農産物”を作って輸出することが最優先課題となり、作物の根幹である「種」と「苗」の問題にまで農水省の頭越しに経産官僚たちが介入を始めたのだ。

 そのひとつが、国内で開発されたブランド品の果物などを海外に不正に持ち出すことを禁じるという、一見すると至極真っ当な「種苗法」の改正案だ。通常国会に提出されたが、6月の会期末を前に政府は成立の見送りを決めた。それは無理もないことで、農家が従来から行ってきた、農作物から種を取って次の作付けに使う「自家増殖」が自由にできなくなり、多額の許諾料の支払いを迫られるとして会員制交流サイト(SNS)などを通じた反対運動が起きたからだ。

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