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『クロサカタツヤのネオ・ビジネス・マイニング』第74回

【クロサカタツヤ×永田哲也】誰がテクノロジーで幸せになれるのか?「ベビーテック」の伝道師が語る普及への道筋

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●育児休業取得率の推移
出展:平成30年度雇用均等基本調査(速報版)より引用

――フィンテック、スリープテックにエドテック、いろいろテックはあるけれど、なんだかどれも大して普及していないように見えるのはどうしてなのか。子どもとその親のためのベビーテックもどうなのかと思ったら、日本の第一人者からして「あと5年はかかる」とのこと。でも、5年で普及するなら、もしかしたらそれはまだまだマシなほうなのかもしれない。

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19年から始まった「Baby Tech Award Japan」。3月には、2020年の受付が開始される。(BABY TECHのウェブサイトより)

クロサカ 年明け早々から米ラスベガスで開催されたCES【1】を視察してきました。毎年、参加していますが、さまざまなテクノロジーのトレンドを知ることができる貴重な機会です。その中で5GやMaaS【2】といった、いかにもな展示だけでなく、「ベビーテックサミット」というカンファレンスが行われていました。文字通り、技術で子育てを助ける製品やサービスを取り上げたイベントで、2016年から開催されているそうです。実は日本でも「ベビーテック・アワード・ジャパン」として19年から開催されています。今回は、そのベビーテック・アワード・ジャパンを主催しているパパスマイルの永田さんをお招きしました。

永田 17年に「BabyTech.jp」というウェブメディアを作りました。その頃から、アメリカではベビーテックという概念があって、ベビーテックアワード、サミットというのをやっているのは知っていて、日本でもいつかやりたいって思っていたんです。19年のCESに行って、BabyTech Awardsをやっているところの舞台袖で、主催者のひとりをつかまえて「僕らも日本でBabyTech Awardsをやりたい」って言ったら「やれば。やらない理由はあるの?」と言ってもらって、19年6月にベビーテック・アワード・ジャパンの第1回をやったんです。今年もCESに行って、今度は主催者のロビン・ラスキンさんをつかまえて、包括的な提携の約束を取り付けました。

クロサカ CESにはベビーテック・ショウケースというコーナーができていましたよね。

永田 はい。ロビンさんからは、日本のアワードの上位3チームを今年のCES ASIAと来年のCESに連れてこいって言われています。ロビンさんはCESに出展しているアメリカ以外の国のベビーテック関係の状況もよく知っていて、日本の製品も完成度が高いと注目されていたそうです。うまくいけば、日本の製品を最短コースで世界に広げることができるかもしれません。赤ちゃんの問題は、文化が違えど世界中どこでも同じだと思うんですよね。病気のことや夜中のミルクのこととか。だから、日本だけのニーズでなく、世界中で同じ課題に直面している。

クロサカ 日本ではまだまだベビーテックという言葉自体が知られていないのに、製品の完成度が高いっていうのは面白いですね。

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