サイゾーpremium  > 連載  > 友清哲のビールの怪人【20】/大手ビールメーカー出身者が【ブルーパブ】を開業

――すべてのビール党に捧ぐ、読むほどに酩酊する個性豊かな紳士録。

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大手メーカーでの醸造経験を持つ、「さかづきブルーイング」オーナーブルワーの金山尚子さん。今夏には、同じく北千住に2号店をオープンさせる予定だ。

 2016年のオープン以来、北千住で絶大な人気を博している「さかづきブルーイング」。オーナーブルワーの金山尚子さんは、もともとアサヒビールに勤務したキャリアを持つことでよく知られている。同じビール業界とはいえ、大手から独立してのマイクロブルワリー開業は、意外と聞かないパターンだ。

「アサヒビールには9年ほど在籍し、キャリアの半分は工場で醸造を、もう半分は研究所で商品開発などに携わっていました」

 ちなみに金山さんが当時手がけた商品のひとつに、世界各国のビアスタイルを展開する「世界ビール紀行」シリーズ(※10年リリース)がある。ドイツのメルツェンタイプやベルギーのベルジャンエールタイプなど、その多彩なバリエーションは今日のクラフトビール・ブームに通ずるものがある。

 それにしても、なぜ大手メーカーで活躍していた金山さんが、独立してクラフトビールの醸造を手がけることになったのか?

「研究所に勤務していた頃に、イギリスやアメリカのビール工場を視察させてもらう機会があり、そこで現地のブルワーたちがすごく楽しそうにビール造りに取り組んでいるのを見て、なんだかうらやましくなってしまったんです。いつか彼らのように自由にビール造りに取り組んでみたいと、ずっと考えていました」

 やがて独立の決意を固め、金山さんは退職して物件探しをスタート。

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