「暁雲の霊峰」1932年(制作は36年)、伊那市立高遠小学校蔵
即位の礼と大嘗祭が終わり、長らく続いた「令和狂騒曲」も次第に落ち着きを見せてきたように見えるが、先日の天皇・皇后の伊勢神宮参拝を報じたNHKのニュースには、思わず耳を疑ってしまった。「皇室の祖先とされる天照大神を祀る内宮に参拝されました」と、神話と現実を混同したような時代錯誤の解説が聞こえてきたからだ。
しかしながら、今の日本が1940年を「紀元二千六百年」と称していた時代とさほど変わっていないのではないか、と思わされることは、これまでも多々あった。例えばそれは、1000円札を使用する際にもときおり感じさせられていたことだ。