――「ジャンプ」の50年を彩った過去の傑作ラブエロコメをプレイバック!
【A】保守的なヒロイン像からの脱皮
『さわやか万太郎』
本宮ひろ志/1978~79年
エクストリーム番長もので行き詰まっていた作者が『俺の空』から本番を抜き、「月刊少年ジャンプ」で連載していた番長青春ドラマの佳作『硬派銀次郎』と組み合わせた娯楽作。番長キャラが複数のスポーツで活躍する『ハリスの旋風』(ちばてつや)タイプの劇画系少年マンガに、もりたじゅんが描いていた少女マンガのラブコメ要素を加えていて、これを80年代ラブコメの文脈で描くと『ちょっとヨロシク!』(吉田聡)になる。許嫁(!)のヒロインが大和撫子の黒髪ロングお姫様なのに、主人公の相棒としてスポーツでも予想外に活躍するという設定が、70年代少年マンガの保守的なヒロイン像から少しだけズレていて、ラブコメ黎明期には斬新だった。
【B】高い画力で描き切る“ラッキースケベ”
『いずみちゃんグラフィティー』
金井たつお/1980年