――今もなお新たな才能の発掘場として機能する〈SoundCloud〉にて頭角を現したDaichi Yamamoto。独創的なセンスで作り上げられたデビュー盤『Andless』を引っ提げて本誌に登場。
(写真/西田周平)
現在26歳のアーティスト、Daichi Yamamoto。日本語ラップ・シーンの次世代を担う存在と言われている彼は、日本最古のクラブともいわれる京都「CLUB METRO」のオーナーである父と、ジャマイカ人の母のもと、京都で生まれ育った。
「小さい頃から家ではレゲエが流れていたんですが、好きというよりも国歌みたいな感じでした。父には『このCDを聞け』とか、『ライブを観に来い』とか言われながら育ったんですが、当時は普通にアニメソングやJ-POPが好きな子どもでしたね」
そんな彼が自分で音楽を作り始めたのが、19歳の頃であった。
「Shing02を聞いて、自分でもラップを始めるようになったんです。シンゴさん(Shing02)が京都にライブに来たりしたら『聞いてください』って音源を渡して。その頃はマイクを持っていなくて、iPhoneの内蔵マイクで録音していたので、『まずはマイクを買え』ってアドバイスしてもらいました(笑)」
音楽活動と並行し、彼はアートの勉強のために渡英。ロンドン芸術大学にて、インタラクティブアートを学ぶことになる。