自民党議員の裏で新たな疑獄の火種
「週刊文春」(4月25日号)において、今年2月に発覚した東レの巨額不正取引事件に関する続報が誌面を賑わせた。自民党の秋元司衆議院議員が、この不正取引きに関与しているというのだ。この秋元議員、特捜部は別事件への関与も捜査しているとし、“疑惑のデパート”と一部では囁かれている。
日本ナイトクラブ協会のHP。
長梅雨が明け、蒸し暑い夏が戻ってきたある日の夜。都心の片隅で、生ビールをあおりながら至極ご満悦な50代の男性が目撃された。日頃、世間に姿を見せることのないこの人物。司法記者クラブに所属する事件記者たちが徹底的にマークしているという。民放の司法記者が口を開く。
「東京地検特捜部長の森本宏さんです。7月の人事異動で、地方検察庁の検事正【1】に異動になるのではないかと臆測を呼びましたが、人事は先送り。少しホッとしたのか、リラックスしたかったのでしょう。年明けまで特捜部長、続投になりましたから」
森本氏といえば、一昨年の着任早々から、スーパーゼネコンによるリニア新幹線談合の摘発をはじめ、東京医大の裏口入学をめぐる文部科学省首脳の汚職事件、そして日産ゴーン会長特別背任事件と、超弩級の事件を次々と手がけてきた人物として知られている。
これを手柄に、検事正へご栄転してもおかしくないはずだが、森本氏本人の胸中は違うようだ。前出の司法記者が続ける。
「森本さんには、やり残したことがある。それは、政界ルートです。在任中にバッジをひとりでも挙げたい。それが彼の本音なんです」
こうした中、現在司法記者たちの間で注目されている政治家がいる。政界屈指のスキャンダルにまみれている“疑惑のデパート”こと、自民党衆院議員の秋元司・内閣副大臣【2】だ。