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町山智浩の「映画がわかるアメリカがわかる」第139回

『ロング・ショット』ロマコメ最新系主人公はダメ男に心を奪われる美貌のスーパー・ウーマン

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『ロング・ショット』

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かつてフレッドのベビーシッターだったシャーロットは、今や米国国務長官の地位まで上り詰めた才色兼備の女性政治家。方やフレッドは、筆は立つものの、うだつのあがらないコラムニスト。そんな彼にシャーロットはスピーチライターとして白羽の矢を立てたが……。
監督:ジョナサン・レビン、出演:シャーリーズ・セロン、セス・ローゲンほか。日本公開未定。

 シャーリーズ・セロンはスーパー・ウーマンだ。

 南アフリカで生まれ、15歳のとき、DVの被害者である母親が父親を射殺するのを目撃した。

 好奇の目を避けて母と共にアメリカに移住、英語がわからないまま177センチの長身と美貌を武器にモデルとして生活を支え、女優になれば、『モンスター』で実在の連続殺人犯を醜いメイクで切実に演じてアカデミー主演女優賞を獲得。自らプロデュースした『アトミック・ブロンド』では9割のスタントを自分で演じて、男たちと素手で格闘しまくった。

 あまりに完璧すぎて釣り合う男がいない。キアヌ・リーブス、ジェレミー・レナー、ショーン・ペンなどとのロマンスも長くは続かなかった。

 新作『ロング・ショット』でセロンが演じるのは、アメリカの国務長官シャーロット・フィールド。優秀で、美しくて、強くて、非の打ち所がない。次期大統領選への出馬を目指すが、優等生すぎていまひとつ人気がない。そこでスピーチ原稿にユーモアを加えてくれるライターを探す。白羽の矢が立ったのは、ニューヨークのタウン紙で皮肉で笑えるコラムを書いていたフレッド。

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