――4月中旬、大手芸能事務所3社が労働基準監督署から是正勧告を受けた。芸能界にも働き方改革の波が押し寄せているが、そもそも個人事業主たるタレントを扱う特殊な業種の労働環境を変えるには、なかなか時間と金がかかりそうで……。本稿では業界関係者たちの青息吐息をお届けする。
自身の番組で芸能事務所の働き方改革問題に触れた東山紀之(真ん中)。とはいえ、ジャニーズもやまぬ人材流出や安月給などのブラックな噂があるのだが……。
[座談会参加者]
A…大手芸能事務所デスク
B…中堅芸能事務所チーフマネージャー
C…中堅プロダクション広報
4月中旬、大手芸能事務所のアミューズ、吉本興業、LDHの3社が相次いで労働基準監督署(以下、労基)から是正勧告を受けていたことが報じられた。そこで今回は、芸能プロダクションで管理職を務める3人に集まってもらい、「芸能界と労基」について、働き方改革に戸惑う本音を大いに語り合ってもらった。
A 今回の報道はどう見ましたか?
C うーん、たぶん気持ちはみんなひとつですよ(笑)。
A メディアも自分たちの働き方が似たようなものだから、あまり厳しい論調では報じていませんでしたね。
B どのツラ下げてって言われちゃうから。テレビだと『サンデーLIVE!!』(テレビ朝日系)が少し取り上げてたけど、司会の東山(紀之)さんが締めのコメントで「弊社(ジャニーズ事務所)もしっかりやっていきたいと思います」と言っていて笑ったなぁ。
A 御社こそですよ、ってね。
B そうそう。「あ、取り上げるんだ」って思いましたもん。
C でも今回は大手プロダクションが複数同時に是正勧告を受けたので、報道としてはそれなりに広く知られることになりましたよね。
A 4月の改正労働基準法に合わせた吊るし上げみたいなところもあったし。
B 国のそういう意思表示なんでしょうね。小さい事務所はさておき、この3社さんくらいの規模になると労基に入られるよっていう。