――日本の未来を支える異端のプリンセス・佳子様の生態を読み解きます
平成が終わり「令和」を迎える前に、天皇皇后両陛下の偉業を振り返る展示が各地で開催されています。東急百貨店での写真展「天皇皇后両陛下 ともに歩まれた60年」では、ノーブレス・オブリージュ精神が極まった、弱い立場の方々の心に寄り添われるお2人の博愛的なお姿に感動しました。皇室ゆかりの名品が集まった東京国立博物館での「両陛下と文化交流ー日本美を伝えるー」は、見るだけで運気が高まる絵画や着物などが展示され、目の保養に。鶴のモチーフが多いのが印象的でした。国立科学博物館での「天皇陛下の御研究と皇居の生きものたち」展は、長年ハゼ類のご研究をされている陛下の学者としての面に着目。頭部の孔器の配列でハゼを分類されたり、ハゼの肩甲骨について調べられたりと超マニアックです。最近は皇居のタヌキをご研究されて「溜め糞」を採取されて内容物を調べられています。やんごとなきお方が動物の糞に触れられるとは……。雑草にも優しかった昭和天皇のご精神を受け継いだ、あまねく生き物への慈愛を感じます。驚いたのは、皇居のタヌキが、日本のほかのタヌキとは違う、未知の遺伝的構成を持つハプロタイプB型だったという研究結果。インペリアルタヌキ一族でしょうか……? ほかの生物の遺伝子も調べてほしいです。
そんな皇居東御苑内で開催されていたのは、御即位30年・御成婚60年記念特別展「御製・御歌でたどる両陛下の30年」。ありがたいことに入場無料で、民のことを考えてくださっています。両陛下が歌会始の儀で詠んだ和歌などが展示されていて、雅な歌で平成を振り返ることができます。等身大よりも大きい両陛下の肖像画が会場で見守ってくださる中、歌や写真の数々を拝見しました。両陛下の歌を拝読すると「平和を祈る」「国民の暮らしを思う」「地方や海外へのお出まし」「災害を心配する」「皇居の自然について」といった内容が多いようにお見受けします。天皇陛下が、窓からお庭の白樺をご覧になって詠まれた歌や、皇后陛下が皇居内の御田にお出ましの陛下をお見送りになる歌、地方の行幸啓先で提灯で迎えられる様子を詠んだ歌など、雲の上の世界です。皇后陛下による、手術後の天皇陛下を案じられる歌、一緒に散策される情景の歌など仲の良さが伝わる作品も印象的でした。世の夫婦も、年に一度でも歌を送り合うと円満な関係が保てるかもしれません。皇居内で山菜を摘まれる仲睦まじいお2人のお姿の写真を拝見していたら、山菜を入れるための白いレジ袋がシワひとつなくピシッとしているのが目を引きました。高貴な方が持たれると、レジ袋さえも形態が整ってしまうようです。