政治家が絡む留学生問題の行方
過去3年間に1400人もの留学生が所在不明となった東京福祉大学。事態を重く見た文部科学省と法務省は立ち入り調査を行っていた。そもその東京福祉大学の創業者はいわくつきの人物として知られており、さらに現在の学長は、政界にも太いパイプを持つ人物。永田町を揺るがす“疑獄”となるのか――注目が集まっている。
東京福祉大学 大学院の公式HP。
関東地方や名古屋にキャンパスを構える東京福祉大学(本部・群馬県伊勢崎市)から、1400人もの留学生が消えた問題が持ち上がっている。政府が立ち入り検査に入るなど風雲急を告げているが、全国紙の社会部記者は「留学制度を悪用した詐欺的手法。検査に入るのが遅すぎた」とバッサリだ。
「来日したがっている外国人から留学名目に高額な入学金を徴収しておいて、ろくなカリキュラムを用意していないから、大学からいなくなるのは当たり前。一方で、同大学は実際の在学生に行方不明の学生を加えて“水増し”しているため、学生数に応じて国からもらえる補助金もジャブジャブ入る。
そもそも創業者は大学経営を私物化し、口利き役として国会議員や外国人の出入国に影響力のある法務・検察OBを大学に迎え入れるといういわくつきの人物。連日報じられた獣医学部新設問題に揺れた加計学園どころじゃない、政官学を巻き込んだ疑惑のデパートと化しているんだよ」(同記者)
創業者の来歴は後述するとして、まず留学生行方不明問題からみていこう。
2000年に伊勢崎市で開学した東京福祉大はその後、東京の池袋と王子、名古屋市の3カ所に次々とキャンパスを増設して経営を拡大した。現在、在籍する学生数は約8000人。このうち留学生は5133人を数え、全体の6割強にも達している。国内の大学では、早稲田大学に次ぐ受け入れ規模だ。前出の全国紙記者が声を潜める。