――IoT(モノのインターネット化)が一般化する中で、セックスもインターネットに接続しつつある昨今。バイブや女性の生理周期を記録するアプリなどのフェムテックも重要性を増している。経済衰退やテクノロジー発展の停滞が叫ばれる中で、セックスとテクノロジーの関係からも、日本の“ヤバい”現状があぶり出されてきた……。
海外のテック系サイトでは、こうしたセックステックの情報が頻繁に取り扱われている。
テクノロジーの発展は、人間の性的な問題を解消したり、またセックスを始めとした性的体験をより豊かにしてきた。そして2000年代、インターネットの普及後に起きたのは“性情報のビックバン”だった。日本の大手検索サイトで、アルゴリズム開発に従事するエンジニアA氏は言う。
「日本語のすべてのインターネット検索ボリュームのうち、約50%は性とかセックスに関連する事柄だという調査報告があります。ネットに関して、“知の民主化”とかいろいろ仰々しいことが言われますけど、もっとも民主化したのはエロ情報。世界的にも、その傾向は大きく変わらないのではないでしょうか」
今や、検索窓にキーワードを入れるだけで、世界中の性情報にアクセスできるようになった。日本語版もある「Pornhub」や「XVIDEOS」などグローバルアダルト動画サイトは、世界のセックスの見本市のようになっている。出会い系アプリやデートSNSなど男女のマッチングサービスの隆盛も、インターネットによる情報革命のたまものである。
そして今、世界は第4次産業革命期と呼ばれる新たな時代に突入。人工知能(AI)やロボティクス、VR、IoTなどなど、新たなテクノロジーが登場している。それらは、人間の性的課題、性的経験にどのような変化をもたらしているだろうか?