撤退だけではない数々の不安要素
オンワードをはじめ出店ブランドの“ZOZO離れ”が報じられているファッションECサイト「ZOZOTOWN」。18年に開始した「ZOZOSUIT」も大爆死するなど、運営会社ZOZOの業績は芳しくないようだ。さらには、前澤友作社長と交際する女優・剛力彩芽の様子までおかしいという。もはや、ZOZOは八方ふさがりか!?
『流通新大陸の覇者 ZOZOTOWN―週刊東洋経済eビジネス新書No.238』(東洋経済新報社)
ファッションECサイト「ZOZOTOWN」の崩壊が始まっている――!? 2018年末から目立つようになったZOZO離れ【1】報道。出店ブランドが続々と退く原因のひとつといわれているのが、昨年12月25日から始まった新サービス「ZOZOARIGATO」だ。年会費3000円または月会費500円を払うと、商品が常に10%引きになるというものである。割引分はZOZOが負担するが、新商品も常時値引きされることから、ブランド価値の毀損やリアル店舗との価格差を懸念したオンワードホールディングスが、「23区」や「自由区」など全ブランドをZOZOTOWNから撤退させた。さらには「ミキハウス」「ライトオン」も商品の販売を中止した。
この“ZOZO離れ”に対して、社長の前澤友作氏は1月31日の決算説明会で「業績に与える影響は極めて軽微」との見解を示したものの、2月26日にはZOZOARIGATOの会員特典価格の表示方法を一部変更し、割引価格の表示の有無を出店者が選択できるようにした。とはいえ、それはZOZOARIGATOに未加入の顧客が対象となっており、加入済みの会員には全商品が割引特典価格で表示される。
そもそもこのZOZOARIGATOは、サービスを始める前から業界関係者に不安視されていた。というのも、「サービス開始について詳細な説明はなく、お知らせメールがECの担当者に届いたのみ」(出店ブランド関係者)だというのだ。
ミキハウス社長・木村皓一氏は、「デイリー新潮」(19年1月24日付)の取材でこう答えている。
「僕も担当者も全商品割引きなんて知らんかったからね。〈中略〉あんなセールやられたらさすがにアカンわ。イメージダウンやで」