永田町に激震が? 大物議員の諍い
かねてより“犬猿の仲”が取り沙汰されていた二階俊博自民党幹事長と麻生太郎副総理が地方選をめぐって代理戦争を繰り広げることとなった。事の発端は秘密裏に行われた調査による極秘データの存在だというが……。逆風が吹き荒れる安倍政権崩壊の序章となるのだろうか?
『自民党本流と保守本流 保守二党ふたたび』(講談社)
「あんたらの顔を立てて推薦は出してやった。恥かかんよう、せいぜい気張れや」
「なにを! 推薦もらったそばから惨敗するなどと、デマ情報を流しやがって。はめやがったな」
まるで任侠映画のワンシーンのようなののしり合いが演じられたのは、2月半ばのことだ。いがみ合っているのは、任侠界の住人ではない。国政を担う、れっきとした国会議員の面々である。自民党ウォッチャーが打ち明ける。
「二階俊博幹事長と麻生太郎副総理のそれぞれの派閥が、来る4月の福岡県知事選をめぐって激突したんです。永田町では、安倍首相を支える80歳(二階)と78歳(麻生)の長老同士による“仁義なき戦い”が九州・福岡で繰り広げられると波紋が広がり、関係者はおびえたまなざしで成り行きを見守っています」
自民党本部は2月18日、保守分裂に揺れる福岡県と福井県の知事選をめぐり、それぞれ現職の推薦を見送って、いずれも新人候補に推薦状を出すという異例の措置を取ったのが事の始まりだ。そもそも党本部の推薦が出ると、自民党員はほかの候補を支援してはならないという「党議拘束」で縛られる。もしこれを破れば、処分されてしまい、最悪、党員を辞めざるを得なくなってしまうのだ。