松井・橋下会談で露呈した不協和音
今年夏に予定されている参議院選。永田町関係者や一部メディアでは、不祥事が続く自民党の惨状を鑑みて、衆議院解散、ダブル選の可能性があると見る向きがある。2月上旬現在、安倍首相は否定をしている一方で、与党水面下では、自民党集票装置としての創価学会で内紛が起こっているという。
『公明党、創価学会よどこへ行く―週刊東洋経済eビジネス新書No.152』(東洋経済新報社)
「参院選が非常に厳しい状況になった場合、突破する手立てはありますよ」
自民党の甘利明選対委員長は1月に入るや否や、こんな号砲を鳴らした。政権スキャンダルが相次ぎ、戦況不利といわれるこの夏の参院選を有利に運ぶため、衆院解散・総選挙を同時に行う“衆参ダブル選”の可能性を公言したのだ。
与党の自民・公明両党の勢力が強い衆院が選挙に加われば、地盤の弱い参院の選挙運動もカバーできるという戦略。ここで説明するまでもなく、過去に自民党政権が危ういときに勝利をもたらしてきた伝家の宝刀だ。
大手紙の政治部デスクは「それだけ安倍晋三首相が抱く危機感は、尋常ではないからね」と指摘する。
「厚生労働省で発覚した『毎月勤労統計』の不正調査は、歴代担当大臣による“関与”が疑われ、働き方改革をシンボルにする政権の屋台骨を揺るがしかねない。しかもこの後、フランス司法当局によって日本オリンピック委員会(JOC)の竹田恒和会長【1】が訴追されかねない状況だろう。