――カメラマン・デザイナー、そして親日家としても知られるアッシュ・ハドソン。そんな彼が自らが体験した日本の“アングラ文化”を詳細にレポート。
インスタグラム〈@tazroc〉
新年が明けてのコラム一発目は、俺が惚れ込んでいるグラフィティ・アーティストを紹介したい。俺は12歳でグラフィティを始めて、それをアパレルに落とし込んだ〈コナート〉というブランドを立ち上げた。そこでは多くのドープなグラフィティ・アーティストたちと仕事をしてきたから、グラフィティを見る目には確かな自信がある。日本にもクールなアーティストはたくさんいるけど、今回紹介するのはロサンゼルスのメキシコ系のアーティスト、Tazroc(タズロック)だ。 スヌープ・ドッグのロサンゼルス・レイカーズ色にペイントされたローライダーを見たことがあるかい? ネットに写真や動画がアップされているから覚えている人も多いだろう。その作品を描いたのがタズロックだ。30年のキャリアがあって、壁に描くグラフィティはもちろんのこと、ピンストライプ(ブラシで細い線の絵を描いていく)や、キャンディペイント(ベースコートの上に半透明色を何層も塗り重ねる)といった技法で、車のグラフィックでも名前が広く知られている。
「03年に初めてスヌープの車をペイントしたんだ。その後、彼からすべての車をペイントしてほしいって言われて、合計で7台くらいはペイントしたんじゃないかな。彼のいくつかのミュージックビデオやジェイ・ZとビヨンセのMVでもペイントの仕事を担当したし、ほかにも映画やコマーシャル、テレビなんかでもたくさん描いてきたよ」