サイゾーpremium  > 連載  > 丸屋九兵衛の音樂時事備忘「ファンキー・ホモ・サピエンス」  > 「ファンキー・ホモ・サピエンス」【65】/【Zapp】ロボット声の魔力
連載
「ファンキー・ホモ・サピエンス」【65】

【Zapp】ロボット声の魔力はオハイオからカリフォルニアへ

+お気に入りに追加

『Zapp VII: Roger & Friends』

1902_FHS_02_JK_230.jpg

Zapp(販売元:Leopard)

もはや、作るほうも聴くほうも焼き直しを恐れてはいられない。タキシードが参加した先行曲「Shy」は、まさに焼き直し佳曲。スヌープからブーツィまで、他曲もフィーチャリング大会と化しているのはやむなしか。そしてパーラメントの新作にも感じたが……ジャケットにはもう少し気を遣ってくれ。

 なぜかアメリカン・フットボール映画が好きな私。特に、刑務所アメフト映画の傑作である『ロンゲスト・ヤード』(05年度版)の試写会場で、最初で最後のナマ水野晴郎を目撃したことは忘れられない……が、今回はアル・パチーノ(古株コーチ役)とキャメロン・ディアス(球団の新オーナー役)の対立が軸となる99年作『エニイ・ギブン・サンデー』の話で始める。

 同作で印象的なのは、架空のNFLチーム〈マイアミ・シャークス〉のサウナ施設。ジェイミー・フォックスやLL・クール・Jら、チームの黒人メンバーが汗を流す、その空間で鳴り響いているのは……ザップの「More Bounce To The Ounce」なのだ。

 先ごろ17年ぶりの新作をリリースしたザップは、オハイオ州デイトンを拠点とするファンク・バンドである。直近の来日公演はビルボードライブで、18年夏だったっけ。……以上の要素だけ聞くと、幾多いる古参ファンク・バンドのひとつと思えるかもしれない。だがザップは、ジョージ・クリントン率いるパーラメント・ファンカデリックと同レベルの――あるいは彼ら以上の――影響を後世のヒップホップに与えた存在なのだ。

 彼らの特徴は、なんといってもトークボックスの多用である。トークボックスとは、人間に楽器音のような声を授けてくれる装置。いや、むしろ「ロボットが歌っているかのような声」と形容すべきだろうか。

 しかし! ミーゴスやPerfumeみたいなものと思ってはいけない! いや、結果はたいして変わらないかもしれないが、その音を出すまでの過程が全然違う! というか、正反対なのである。

ログインして続きを読む
続きを読みたい方は...

Recommended by logly
サイゾープレミアム

2025年5月号

新・ニッポンの論点

新・ニッポンの論点

NEWS SOURCE

インタビュー

連載

    • 【マルサの女】名取くるみ
    • 【笹 公人×江森康之】念力事報
    • 【ドクター苫米地】僕たちは洗脳されてるんですか?
    • 【丸屋九兵衛】バンギン・ホモ・サピエンス
    • 【井川意高】天上夜想曲
    • 【神保哲生×宮台真司】マル激 TALK ON DEMAND
    • 【萱野稔人】超・人間学
    • 【韮原祐介】匠たちの育成哲学
    • 【辛酸なめ子】佳子様偏愛採取録
    • 【AmamiyaMaako】スタジオはいります
    • 【Lee Seou】八面玲瓏として輝く物言う花
    • 【町山智浩】映画でわかるアメリカがわかる
    • 【雪村花鈴&山田かな】CYZOデジタル写真集シリーズ
    • 【花くまゆうさく】カストリ漫報
サイゾーパブリシティ