――景気の先行きが危うくなり、年末には東証の株価も暴落し、暗雲立ちこめる中に閉じた2018年。そもそも1年を振り返って見れば、政治的、社会的、経済的に、どこを取っても問題だらけ。だからこそ、僕らはもっとテクノロジーとかビジネスとかで、ガンガン世の中を変えていかないといけない。なにかと厳しい予感がする19年に、いったい世の中はどうなるのか、そこで僕らにはいったい何ができるのか?
●IoT、ビッグデータへの対応
出典:日本政策投資銀行「2017年度設備投資計画調査の概要」より
――毎年恒例となっている担当編集と共に1年を振り返るまとめ回です。今回で5回目ということは、連載開始から丸5年となりました。
クロサカ サイゾーと共に歩んだ5年でした。生まれたばかりの子どもがもうすぐ小学生になろうというくらいの年月です。その間に、僕は40歳を超えましたが、子どもの成長とオジサンの成長とを比べると実につらい(笑)。
――人間とは、かくも不平等なものなんです。でも、60回突破で、連載の中でも古株になってきました。
クロサカ 60回って我ながらスゴいですね。これも読者の皆さんに支えていただいているおかげです。ただただ感謝あるのみです。
――2018年3月号の松尾真一郎先生から始まって、前号の向縄嘉律哉さんまで今年もいろんな分野の方にご登場いただきましたね。
クロサカ 例年にも増して過去の記憶が曖昧で、正直、夏より前のことが思い出せません(笑)。
――毎年、同じことを言ってますね。個人的には5月号からの横田明美先生、宍戸常寿先生、実積寿也先生という、社会制度について深く考えた3カ月が印象に残っています。
クロサカ ちょうど、日本社会の制度に関する問題が相次いでいた時期ですよね。横田先生との公文書偽造問題の議論、宍戸先生による漫画村と通信の秘密に関する問題整理、実積先生によるネット中立性に関する解説、いずれも大問題ですが、どれもまだ解決していません。
――どの議論も難しい。特に漫画村のサイトブロッキングは「マンガ家の権利を守るため」と言われたら、普通の人は納得しちゃいます。