『下町ロケット ヤタガラス』(小学館)
フィクションとしては十分面白かったのだが……。
1月2日に放送された阿部寛主演の『下町ロケット』特別編(TBS系)の平均視聴率が14.0%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)だったことがわかった。同作は、昨年10月クールの日曜劇場として全話平均13.9%を記録していたが、年をまたいで楽しみにしていた視聴者が多かったようだ。
「特別編は『台風編』と名付けられ、北陸地方に大型台風が直撃する前に米を収穫するという手に汗握るシーンが見所でした。ほとんど嵐のような状況の中、佃製作所がエンジンとトランスミッションを手掛けた無人農業用ロボット『ランドクロウ』が大活躍。クライマックスでは嵐の中、帝国重工の財前道生(吉川晃司)が率いるコンバイン・ランドクロウを乗せたキャラバンが到着し、不測のトラブルを乗り越えながら台風直撃寸前で全ての収穫をなんとか終えることができた、という内容でした」(テレビ誌ライター)
佃航平(阿部)にかけられた「少しは日本の農業を救えたか?」の一言は視聴者に感動を与えた一方、放送後のTwitterでは“リアル農家”の人たちからの「あり得ない」という怒りのツッコミが続出。
「台風の雨の中での稲刈りはあり得ない。籾が濡れて品質が落ちるしコンバインが壊れる。そもそも通常の台風では大した被害は出ません」
「濡れていたら最新鋭のコンバインであっても詰まって稲刈りなんてできない。それくらいシビア。それにあんなに青かったんじゃ売り物にはならない。ドラマとはいえちょっとダメすぎ」
「実際は台風が過ぎた後、倒れた奴を時間かけて刈るのがリアルです。爆あんな青いやつ刈っても価値ねーよ」
「あのシーンの後で米作りとか日本の農業の未来とかを熱く語られてもねぇ」
などと、本職の人たちはあきれ返っていたようだ。
現場で頑張っている人の心に寄り添うのがテーマのドラマだったが、やや詰めが甘かったのか!?